よくある質問まとめ
親の介護・実家・相続・お墓の手続きについて、各記事で扱っているよくある質問を1ページに集めました。 答えはいずれも要約です。金額や手続きの前提条件は、各質問の下にある元記事(出典つき)で確認してください。
介護の基礎
紹介サイトの相談が無料なのは、なぜですか?
紹介手数料は、成約時に有料老人ホーム側から紹介事業者へ支払われる建て付けです(厚生労働省の検討会とりまとめ25ページ)。入居希望者が紹介事業者に費用を払う仕組みにはなっていません。ただし「入居者側には一切お金がかからない」と法的にはっきりしているわけではなく、同じとりまとめには、入居希望者と紹介事業者との間には必ずしも契約があるわけではない、という記述もあります。相談を始める前に、手数料を誰から受け取るのか、算定方法はどうなっているのかを書面で示してもらうのが確実です。これはとりまとめが紹介事業者に求めている対応そのものです。
紹介会社に登録しないと、施設は探せませんか?
探せます。公的な検索の入口として、介護サービス情報公表システム(厚生労働省)とサービス付き高齢者向け住宅情報提供システムの2つがあります。とりまとめは後者について、入居希望者が紹介事業者を通さずに自ら検索し見学に行くことまでできているのではないか、と記載しています。一方で前者については、掲載されていない有料老人ホームが多数あり十分な情報を得られない、という指摘も併せて記載されています。有料老人ホームについては検索だけで候補を出し切るのは難しいため、ケアマネジャーや地域包括支援センターへの相談と組み合わせるのが現実的です。なお、候補が決まったあとに施設へ重要事項説明書を請求することは、紹介会社を通さなくてもできます。
ケアマネジャーに施設探しを頼んでもいいですか?
相談先として妥当ですが、期待の置き方には注意が必要です。ケアマネジャーが所属する指定居宅介護支援事業者には、サービス等が特定の種類・特定の事業者に不当に偏らないよう公正中立に行う義務が省令で定められており、契約時には利用者が複数の事業者を紹介するよう求めることができる旨を説明することとされています。したがって「ほかの選択肢も出してほしい」と依頼することはできます。ただしケアマネジャーは居宅介護支援の専門職で、施設探し自体が本来業務として規定されているわけではありません。厚生労働省の検討会も、ソーシャルワーカーやケアマネジャー等が紹介事業者をよく理解せずに住まい探しを丸投げしてしまうケースを課題として挙げています。地域・費用の上限・譲れない条件をこちらで整理してから相談するほうが、話が早く進みます。
見学の前に、何を取り寄せておけばいいですか?
重要事項説明書です。標準指導指針は、有料老人ホームの設置者に対し、重要事項説明書を「入居相談があったときに交付するほか、求めに応じ交付すること」と定めています。契約前どころか、相談の段階で請求できます。加えて、設置時の届出を行っていない場合や指針に基づく指導を受けている場合は、その旨を重要事項説明書に記載する義務があります。運営会社の貸借対照表・損益計算書またはその要旨も、入居希望者の求めに応じて閲覧に供することとされており、写しの交付についても配慮するよう求められています。パンフレットの月額表だけでは分からない部分が、ここに集まっています。
特養の待機者は今何人ですか?
厚生労働省が2025年12月25日に公表した「特別養護老人ホームの入所申込者の状況」によると、2025年4月1日時点で要介護3以上の入所申込者は20.6万人、うち在宅の人は8.6万人です。要介護1・2(特例入所の対象)は1.8万人(うち在宅0.9万人)でした。なお、ウェブ上でよく見る「約27.5万人」は前回2022年度調査の数字(要介護3以上25.3万人と要介護1・2の2.2万人の合計に相当)で、最新版ではありません。
特養は平均何年待ちですか?
全国の平均待機期間を示す公的な統計は、厚生労働省が公表している資料には含まれていません。この調査が集計しているのは入所申込者の人数だけで、待機期間は集計事項に入っていないためです。したがって、この記事では待機期間の目安を示していません。年数を挙げている記事があった場合は、その数字がどこの何の集計なのかを確認してください。
申込者が20.6万人ということは、20.6万人が入所待ちなのですか?
そのようには読めません。厚生労働省の公表資料には3つの注記があります。第一に、重複申し込みや申し込み後に亡くなった方などの排除は、各都道府県への依頼ベースで行われています。第二に、長期間にわたり施設の申込者名簿に登録されている方も含まれており、入所を希望する時期や条件、生活環境の変化などにより、必ずしも現に入所を必要としている場合に限らないと明記されています。第三に、要介護度別の数字には按分による計上が含まれる場合があります。20.6万人は「申し込みが集計された人数」であって、「いま入所が必要な人数」ではありません。
要介護1・2でも特養に申し込めますか?
特養の新規入所は平成27年4月から原則として要介護3以上ですが、要介護1・2の人も「居宅において日常生活を営むことが困難なことについてやむを得ない事由がある」場合は特例入所の対象になります。厚生労働省の通知は事由として、認知症で日常生活に支障を来す症状・行動や意思疎通の困難さが頻繁に見られること、知的障害・精神障害等を伴い同様の症状・行動が頻繁に見られること、家族等による深刻な虐待が疑われること等により心身の安全・安心の確保が困難であること、単身世帯や同居家族の高齢・病弱等により家族等の支援が期待できず地域の介護サービスや生活支援の供給も不十分であることの4つを挙げています。該当するかどうかは施設の入所検討委員会の合議で判断され、施設は市町村に報告することとされています。また通知は、申込者が要件に該当すると申し立てた場合に施設が申し込みを受け付けない取扱いは認められない、としています。
要介護認定の申請に、医師の診断書は必要ですか?
介護保険法第27条第1項が申請時に求めているのは、申請書と被保険者証です(40歳から64歳の人は医療保険証)。医療機関の診断書をあらかじめ用意することは、法令上の申請要件とはされていません。判定に使う主治医意見書は、同条第3項により市町村が主治医に意見を求めるもので、本人が取得して提出する建て付けではありません。作成料も申請者の負担ではありません。ただし、窓口での案内の仕方は市区町村ごとに運用が異なる可能性があり、全国どこでも同じ説明を受けられるとまでは確認できていません。持ち物は事前に市区町村の窓口へご確認ください。なお40歳から64歳の人は、要介護状態の原因が介護保険法施行令第2条の16特定疾病であることが要件になるため、この年代は医学的な診断が前提になります。
親にかかりつけの主治医がいません。申請できますか?
できます。介護保険法第27条第3項のただし書は、主治の医師がないときやその他意見を求めることが困難なときは、市町村は本人に対し、市町村が指定する医師または市町村の職員である医師の診断を受けるべきことを命ずることができると定めています。厚生労働省の介護サービス情報公表システムも、主治医がいない場合は市区町村の指定医の診察が必要になると明記しています。診察先を家族が探して手配する形ではなく、市区町村側が指定する流れです。具体的な段取りは申請時に窓口へご確認ください。
認定の結果が出るまで、介護サービスは使えませんか?
2つの仕組みがあります。1つは、要介護認定はその申請のあった日にさかのぼって効力を生じるという点です(介護保険法第27条第8項)。通知が届いた日が起点ではありません。もう1つは暫定ケアプランです。厚生労働省老健局老人保健課の事務連絡(平成22年4月30日)は、保険者の判断で必要があると認めた場合には、申請を受けた後、認定結果が出る前の段階であっても、暫定ケアプランを作成して介護サービスの提供を開始することができるとしています。同じ事務連絡には、迅速な対応が必要と判断される申請について、同日のうちに認定調査を実施している保険者の例も記されています。使えるかどうかは保険者の判断になるため、急ぐ事情は申請の時点で市区町村や地域包括支援センターに伝えてください。
家族が遠方に住んでいて窓口に行けません。申請はどうすればいいですか?
申請の手続は代行できます。介護保険法第27条第1項の後段は、代わって手続を行わせることができる先として、指定居宅介護支援事業者、地域密着型介護老人福祉施設、介護保険施設(介護老人福祉施設・介護老人保健施設・介護医療院)、地域包括支援センターの4類型を挙げています。令和6年度の実績では、認定申請全体の78.4%が申請代行によって行われていました。まだどこにもつながっていない段階であれば、親が住んでいる市区町村の地域包括支援センターが相談先になります。総合相談支援事業は初期段階からの相談支援を行うものとされており、認定を受けていることは相談の要件になっていません。
介護施設の種類は、どこから見ていけばいいですか?
費用より先に入居条件を見ると、候補が早く絞れます。要介護度で条件がはっきりしているのは、特別養護老人ホーム(平成27年4月から原則として要介護3以上、要介護1・2は特例入所の対象)、介護老人保健施設(要介護1〜5。要支援1・2は利用できない)、グループホーム(要支援2および要介護1〜5。要支援1は利用できない)です。また介護老人保健施設は在宅復帰を目指す人の施設、介護医療院は主として長期にわたり療養が必要な人の施設と、目的が制度上定められています。ここで残った選択肢の中で、費用と通いやすさを比べるのが現実的な順番です。
「介護付き」と書かれているホームと、書かれていないホームは何が違いますか?
「介護付」を名乗れるのは、介護保険法の特定施設入居者生活介護の指定を受けた有料老人ホームだけです。指定を受けていないホームは、広告やパンフレット等で「介護付き」「ケア付き」等の表示を行ってはならないと厚生労働省の指針で定められています。指定を受けたホーム(介護付有料老人ホーム)では、介護サービスをそのホームの職員が提供します。一方、住宅型有料老人ホームでは、介護が必要になった場合に入居者自身の選択で地域の訪問介護等を利用します。見学の際は、特定施設入居者生活介護の指定を受けているかを直接たずねるのが確実です。
要介護1でも特別養護老人ホームに申し込めますか?
特例入所の対象になる場合があります。厚生労働省の入所指針は、居宅において日常生活を営むことが困難なことについて「やむを得ない事由」に当たる場合に特例入所の対象になるとしています。4つの事由の具体的な中身は特養の記事で整理しています。該当するかどうかは施設が入所検討委員会の合議で判断し、市町村に報告して適宜意見を求めます。なお、申込者が要件に該当すると申し立てた場合に、施設が申込みを受け付けないという取扱いは認められないとされています。
グループホームは、住民票のある市区町村でないと入れませんか?
グループホーム(認知症対応型共同生活介護)は地域密着型サービスに含まれ、原則としてその市町村の被保険者が利用できるサービスです。ただし例外があり、他の市町村の指定を受けている場合には当該他市町村の被保険者も利用でき、住所地特例の対象者についても一部のサービスは利用可能とされています。「住民票がないと入れない」と決まっているわけではないため、別の市区町村での入居を考えている場合は、その市町村の介護保険窓口で扱いを確認してください。指定と指導監督の権限は市町村にあり、市町村は必要整備量を超える場合に指定を拒否することもできます。
介護施設の見学では、費用について何を聞けばいいですか?
月額表に載っている基本料金より、そこに含まれないものを聞くほうが差になります。本調査(n=110)で「基本料金に含まれていると思っていた」と挙がった項目は、オムツ等の消耗品41%、医療費・通院25%、理美容24%、レクリエーション・行事24%、衣類・日用品の補充23%、薬代22%などでした。これらについて、施設の指定品しか使えないのか、持ち込みに料金がかかるのか、付き添いは時間単位の課金かといった課金の設計を確認してください。1つずつ聞くのが難しければ、月額表とは別に「基本料金に含まれないものの一覧」を品目で出してもらうよう頼むのが早い方法です。
見学した施設に、そのまま決めるものですか?
複数を比較するのが多数派です。本調査(n=110)で検討した施設の数は、2〜3ヶ所が75%で最も多く、4ヶ所以上が13%、1ヶ所だけで決めた人は13%でした。つまり、見学した最初の1ヶ所でそのまま決めた人は少数です。ただし多くの家庭は病院の退院期限や空き状況といった事情の中で決めており、何ヶ所も回る時間があるわけではありません。回る数を増やすことより、それぞれの施設で月額表と「基本料金に含まれないものの一覧」を受け取り、同じ形で並べて比べられるようにしておくほうが現実的です。
施設探しには、どのくらいの期間をかけられますか?
本調査(n=110)では、探し始めてから入居までの期間は85%が6ヶ月以内でした。多くの場合、病院の退院期限や空き状況といった事情が先にあり、じっくり比べる時間があるわけではありません。必要になる前に1〜2ヶ所を見て、月額表と「基本料金に含まれないものの一覧」を受け取っておくと、時間がない局面でも同じ形で比べられます。
このチェックリストは、どの施設でも使えますか?
質問の項目自体は、施設の種類を問わず共通して使えます。本調査の回答者110人の入居先は、特別養護老人ホーム35%、介護付き有料老人ホーム32%、サービス付き高齢者向け住宅8%、グループホーム8%、住宅型有料老人ホーム7%、老人保健施設7%で、特養からサービス付き高齢者向け住宅まで一通り含まれています(グループホームは9人と少数です)。ただし、何が基本料金に含まれ、何が別料金かは施設ごとに違います。リストの項目をそのまま当てはめて答えを想定するのではなく、月額表とは別に「基本料金に含まれないものの一覧」を品目で出してもらい、その施設の実際の区分を確認してください。
介護の費用
在宅で続けるのと施設に入るのとでは、どちらが安いですか?
費用の決まり方が違うため、月額を並べて引き算する形にはなりません。そのうえで、桁の見当をつける換算をひとつ示します。たとえば要介護3で、上限(27,048単位。1単位10円換算で270,480円)まで使い自己負担が1割なら、月の自己負担は27,048円です(機械的な換算値で、地域とサービスによって単価は変わります)。施設のほうは、当編集部の調査で通常月の自己負担が公的施設の87%で15万円未満、民間施設の71%で15万円以上でした。ただし在宅はこの27,048円の外側に、食費・日用品・住まいの費用がそのまま残ります。施設ではそれらが基本料金に入っているため、単純な引き算はできません。加えて、費用が低い側に寄っている公的施設(特養)は、平成27年(2015年)4月から新規入所者が原則として要介護3以上に限定され、入所申込みも多いため、そもそも選べるとは限りません。当サイトは在宅で介護している家庭の支出について実測データを持っていないため、在宅の月額相場は載せていません。
限度額の表にある金額は、そのまま自分の地域に当てはまりますか?
当てはまるとは限りません。区分支給限度基準額は金額ではなく単位数で定められていて、表の右列は1単位を10円として換算したものです。厚生労働省の告示では、1単位の単価は10円に地域区分とサービス種類(人件費割合)に応じた割合を乗じた額とされており、地域は8区分、人件費割合は3区分に分かれています。各市町村の級地は原則として公務員の地域手当の区分に準拠します。そのため、地域とサービスによっては10円換算より大きくなります。実際の単価は市区町村の窓口か、ケアプランを作る担当者に確認してください。
親の自己負担割合は、どこで確認できますか?
市区町村の介護保険窓口か、担当のケアマネジャーに確認してください。判定は所得で決まり、3割になるのは本人の合計所得金額が220万円以上で、かつ年金収入とその他の合計所得金額の合計が単身世帯340万円以上(夫婦世帯463万円以上)の場合です。2割は本人の合計所得金額160万円以上220万円未満で、かつ同じ合計が単身世帯280万円以上(夫婦世帯346万円以上)の場合です。40歳以上65歳未満の第2号被保険者、市町村民税非課税者、生活保護受給者は、この判定にかかわらず1割です。2割の対象者は利用者の4.6%、3割は3.6%で(2022年3月時点)、多くの人は1割です。
高額介護サービス費の上限額は、いつの時点のものですか?
この記事に載せた上限額は、2026年8月1日から適用されるものです(2026年7月31日発出の介護保険最新情報Vol.1532)。非課税世帯の基準額は毎年8月に見直され、82.65万円という基準は2025年に支給される老齢基礎年金(満額)が826,500円となったことを踏まえたものです。2025年8月から2026年7月までは80.9万円でした。年をまたぐと変わるため、申請する時点の金額は市区町村の案内で確認してください。また、この上限は介護サービスの利用者負担にかかるもので、厚生労働省の介護サービス情報公表システムの説明では福祉用具購入費や食費・居住費等の一部は対象から除かれています。
結局、介護施設の費用は毎月いくら見ておけばいいですか?
施設の種類によって分布がまるごと違うため、ひとつの金額では答えられません。本調査(n=110)では、通常月の自己負担は公的施設(特養・老健)の87%が15万円未満、民間施設(介護付・住宅型・サービス付き高齢者向け住宅)の71%が15万円以上でした。よく参照される数字としては、生命保険文化センター(生命保険業界が運営する公益財団法人による民間調査)の2024年度調査で、施設介護の月々の費用は平均13.8万円と報告されています。入居を検討している施設の種類を先に決め、その種類の分布で見るのが実際的です。なお、公的施設(特養)は原則として要介護3以上が対象で待機もあるため、この差は「安いほうを選べる」という意味ではありません。入居できる可能性がある種類の中で、その種類の分布を見てください。
基本料金のほかに、毎月いくらくらい上乗せされますか?
本調査では、通院や入院が重ならないふつうの月で、公的施設の72%が月1万円未満、民間施設の67%が月1万円以上でした。金額を押し上げるのは、施設が指定する品しか使えない、持ち込みに料金がかかる、通院の付き添いが別料金といった課金の設計です。なお本調査で「基本料金に含まれると思っていた」項目として最も多く挙がったのはオムツ等の消耗品(41%)ですが、これは思い込みの起きやすさであって、金額の順位ではありません。見学時に「基本料金に含まれないものの一覧」を品目で確認しておくと、請求書を受け取る前に差が読めます。
公的施設のほうが安いなら、そちらを選べばいいのではないですか?
選べるとは限りません。特別養護老人ホームは、介護保険法および同法施行規則により平成27年4月から、入所が原則として要介護3以上の方に限定されています(要介護1・2の方の特例入所の扱いは別にあり、運用は厚生労働省の入所指針が示しています)。また要介護3以上の入所申込者は2025年4月1日時点で全国20.6万人おり、待機期間が発生します。なお公的施設にはもう一つ老人保健施設(老健)がありますが、こちらは在宅復帰を支援する施設で、長く住まうことを前提とした施設ではありません。費用の差は「安いほうを選べる」という意味ではなく、入居できる施設の種類によって家計への影響が変わる、と読むのが実際に近い理解です。
この調査結果はどの程度信頼できますか?
過去5年以内に親または配偶者の親を介護施設に入居させ、毎月の請求額を把握していた110人(施設所在地35都道府県)へのインターネット調査です。提出された120件のうち、条件に合わない回答や矛盾のある回答は集計から除いています。ただし金額は自己申告のレンジ選択で、請求書等による裏付けはありません。回答者はネット利用層に偏り、施設種別の構成比が全国の実勢と一致する保証もないため、「相場」ではなく「110人が支払った実額の分布」としてお読みください。
生前の備え
お金の話を切り出すと、財産を狙っていると思われそうです。どう始めればいいですか?
金額を聞くのをやめて、「もしものときに困らないように、どこの金融機関を使っているかだけ教えてほしい」と範囲を絞るのが現実的です。実際、成年後見の申立て動機は「預貯金等の管理・解約」が最多で、終局事件の93.4%で挙げられています(令和7年)。困るのは金額が分からないことではなく、どこにあるか分からないことです。その事実を先に共有すると、目的が伝わりやすくなります。
親が受診や制度の利用を嫌がります。
無理に説得する前に、家族だけで相談できる窓口があります。地域包括支援センターは市町村が設置主体で、高齢者の総合相談・権利擁護・介護予防の援助等を無料で行う中核機関です。全国5,487か所(ブランチ・支所を含めると7,374か所/令和7年4月末)にあり、離れて暮らす家族からの相談も受け付けています。本人を連れて行く前に、家族が状況を相談するところから始められます。
任意後見と成年後見は何が違いますか?
任意後見は、本人が元気なうちに公正証書で受任者(将来支援してもらう人)を自分で指定しておく契約型の制度です。利用者は2,833人で、成年後見制度の利用者全体259,901人(令和7年12月末)の約1%にとどまります。判断力が下がってから家庭裁判所が選任する法定後見では、令和7年に新たに選任された成年後見人等のうち親族は16.4%で、83.6%は専門職などの親族以外でした。誰に任せるかを自分で決めておけるかどうかが、元気なうちに動く意味です。
実家の名義が祖父母のままでした。どうすればいいですか?
2024年4月1日より前に相続した未登記の不動産も義務化の対象で、令和9年(2027年)3月31日までに登記が必要です。分け方が決まらない場合は、相続人が単独で法務局に申し出るだけで申請義務を履行したものとみなされる「相続人申告登記」が使えます(法務省)。まずは実家の所在地を管轄する法務局に相談してください。
全部やる時間がありません。優先順位はありますか?
1つ選ぶなら、②の実家の名義確認です。期限(3年以内・経過措置は2027年3月31日まで)があり、過料の対象になり得るのはこれだけだからです。次に①のお金の置き場所。この2つが押さえられていれば、他は状況が動いてからでも間に合うことが多くなります。
死後の手続き
査定を頼んだら、必ず売らないといけませんか?
いいえ。売買契約は当事者の合意で成立するため、提示された金額に納得できなければ断れます。一部だけ売って、残りは持ち帰ってもらわないという決め方もできます。自宅で契約した場合も、法律で定められた書面を受け取った日から数えて8日以内であれば、書面または電磁的記録でクーリング・オフができます(特定商取引法第58条の14)。
自分から出張査定を頼んだ場合も、クーリング・オフはできますか?
訪問購入の適用除外として消費者庁が挙げているのは、営業のために行う取引、海外にいる人に対する取引、国・地方公共団体が行う取引などで、「消費者が自分で査定を依頼した場合」は含まれていません(法第58条の17)。ただし、自動車・家具・書籍・有価証券・CD/DVDなど施行令第34条で除かれている物品は、訪問購入の規制の対象外です。また、御用聞き取引・常連取引などは一部の規定を除いて適用されません(政令第37条)。個別の判断が必要な場合は、消費者ホットライン「188」で消費生活センター等にご相談ください。
相続放棄を考えています。遺品を売ってもいいですか?
売らないでください。相続財産を処分すると単純承認をしたものとみなされ(民法第921条第1号)、相続放棄ができなくなるおそれがあります。借金の有無がはっきりしない段階では、売却も廃棄も止めて、家庭裁判所や弁護士・司法書士に相談するのが先です。相続放棄・限定承認の申述には、相続の開始を知った時から3か月という期限があります。
実家しか財産がない場合でも、相続税はかかりますか?
課税価格の合計額が基礎控除額(3,000万円+600万円×法定相続人の数)を超えなければ、かかりません。実家の評価額に預貯金などを足した合計で判定します。実家の相続税評価額は、固定資産税の課税明細書にある「価格」から、建物はそのまま、土地は「÷0.7×0.8」でおおよその見当をつけられます。ただしこれは概算のための簡易換算で、実際の路線価評価とは差が出ます。
相続税がかからない場合、申告は必要ですか?
課税価格の合計額が基礎控除額の範囲内であれば、申告も納税も必要ありません。ただし、小規模宅地等の特例や配偶者の税額の軽減を使った結果として税額が0円になる場合は、申告が必要です。これらの特例は申告して初めて適用されるもので、判定は特例を適用しない状態の課税価格で行うためです(国税庁 No.4205)。
申告と納税の期限はいつまでですか?
相続の開始があったことを知った日の翌日から10か月以内です(国税庁 No.4205)。この期限は、配偶者の税額の軽減や小規模宅地等の特例を使うための「申告期限までの遺産分割」の期限でもあります。相続人の間で分け方が決まらないまま10か月を過ぎると、これらの特例を当初申告で使えなくなる可能性があります。
土地の面積が広いと、小規模宅地等の特例はどうなりますか?
特定居住用宅地等として80%減額できるのは330㎡までの部分です(国税庁 No.4124)。これを超える部分は減額の対象になりません。当サイトのシミュレーターでも、面積を入力すると330㎡を超える分を按分して計算します。
この記事の計算をそのまま申告に使えますか?
使えません。本記事とシミュレーターは、仮定の数値に基づく概算であり、個別の税務相談や税務代理ではありません。実際の申告額の計算は、税理士または所轄の税務署にご確認ください。一般的な相続税の取扱いについては、国税庁の電話相談センターで国税職員に無料で質問することもできます。
親が死んだら、まず最初の1週間で何をすればいいですか?
病院で死亡診断書を受け取り、死亡を知った日から7日以内に死亡届を市区町村役場へ提出します(火葬許可の申請も同時)。この2つは葬儀社が代行するのが通例です。遺族が自分でやっておくべきことは、死亡診断書のコピーを複数枚とっておくことと、葬儀後すぐに来る役所手続き(年金の受給停止・保険証の返却・世帯主変更=10〜14日以内)に備えることです。
死亡届を出すと銀行口座はすぐ凍結されますか?
いいえ。役所に死亡届を出しても金融機関に自動で連絡はいきません。凍結が始まるのは、相続手続きのために遺族が銀行へ連絡するなど、金融機関側が死亡を把握した時点が典型です。凍結後も、遺産分割前の仮払い制度(1金融機関あたり上限150万円、かつ預貯金額×3分の1×法定相続分まで)で当面の資金を引き出せます。
相続放棄の3か月はいつから数えますか?
民法上は「自己のために相続の開始があったことを知った時」から3か月です。同居の家族なら実質的に亡くなった日からですが、疎遠で死亡を後から知った場合は知った時から数えます。期限内に判断が難しい場合は、家庭裁判所に期間伸長を申し立てる方法もあるため、早めに専門家へ相談してください。
手続きをしないと損をするお金にはどんなものがありますか?
葬祭費(自治体により数万円・2年で時効)、埋葬料(会社の健康保険から5万円・2年)、高額療養費の払い戻し(2年)、未支給年金・遺族年金(5年)、生命保険の死亡保険金(保険法上3年)などは、遺族が請求しないと受け取れません。加入保険が不明な場合は生命保険協会の「生命保険契約照会制度」で一括照会できます。
相続登記をしないとどうなりますか?
2024年4月から相続登記は義務化されており、不動産の取得を知った日から3年以内に登記しないと、正当な理由がない場合10万円以下の過料の対象になります。実家の処分方針が決まっていなくても、登記だけ先に済ませることができます。
死亡届を役所に出したら、銀行口座は自動で凍結されますか?
いいえ。死亡届の情報が金融機関へ自動的に伝わる仕組みはないとされており、死亡届だけで口座は凍結されません。凍結が始まる典型は、遺族が相続手続きのために銀行へ連絡した時点です。逆に言えば、銀行に連絡するとその時点で入出金が止まるため、引き落とし中の契約は連絡前に把握しておくとスムーズです。
凍結前にお金を引き出したら、相続放棄はできなくなりますか?
引き出しただけで直ちに相続放棄ができなくなるわけではありませんが、引き出したお金を自分のために使ってしまうと、相続を承認したもの(法定単純承認)とみなされ、相続放棄が認められなくなるおそれがあります。借金の可能性がある場合は、引き出したお金に手をつけず、早めに弁護士や司法書士に相談してください。相続放棄の期限は、自己のために相続の開始があったことを知った時から3か月以内です。
故人の口座から引き落とされていた公共料金はどうなりますか?
凍結後は引き落としが止まり、未納状態になっていきます。電気・ガス・水道・携帯電話・クレジットカードなどは、解約するか、支払い口座・名義の変更手続きを早めに行ってください。何が引き落とされているかは、通帳やカードの利用明細で確認できます。
凍結はいつまで続きますか?
相続手続きが完了するまで続きます。具体的には、遺言書または遺産分割協議書などに基づいて金融機関へ必要書類を提出し、払い戻しや名義変更が済んだ時点で解除されます。それまでの間に当面の資金が必要な場合は、仮払い制度(1金融機関150万円上限、かつ預金額×3分の1×法定相続分)が利用できます。
墓じまいの基礎
親族全員の同意書がないと墓じまいはできませんか?
法律上、親族全員の同意書を要求する規定はありません。お墓は民法897条により祭祀を主宰すべき者が承継し、改葬の許可も墓地埋葬法5条に基づき「改葬を行おうとする者」が市町村長から受けるものです。ただし墓地の管理者(寺院・霊園)が独自に書類を求めることはあるため、実際の必要書類は墓地の管理者と市区町村の双方に確認してください。
兄弟の一人が強く反対しています。無視して進めても違法ではありませんか?
承継者が手続きを進めること自体は違法ではありません。ただし本調査では、反対を経験した28人のうち10人が完了後も「気まずさが残る」と回答しています。法的な可否と、その後の親族関係は別の問題として考える必要があります。
誰が承継者なのかはっきりしません。どう決めればよいですか?
故人による指定があればその人、なければ慣習に従って決まります。慣習が明らかでないときは、民法897条2項により家庭裁判所が定めることになっています。具体的な申立ての方法は、管轄の家庭裁判所にお問い合わせください。
反対されないためには、いつ切り出すのがよいですか?
本調査から「最適な時期」を示すデータは得られていません。ただし自由記述では、遺骨の移転先と概算費用を用意したうえで、複数回に分けて説明した人が解決に至っている例が見られました。
管理料を払い続けていれば、お参りに行かなくても問題ありませんか?
管理料を払い、墓地の管理者と連絡が取れる状態であれば、無縁墳墓として扱われることは基本的にありません。ただし、承継者が決まっていない場合、将来の判断が先送りされている状態は変わらないため、次の世代への引き継ぎ方は早めに話し合っておくことをおすすめします。
無縁墓として整理されると、遺骨はどうなりますか?
墓地、埋葬等に関する法律とその関連法令に定められた手続きを経て、墓地の管理者が遺骨を別の場所に改葬します。多くの場合は合祀墓などに移され、合祀後に個別の遺骨を取り出すことは一般に困難です。詳細な手続きや扱いは墓地・自治体によって異なるため、気になる場合は墓地の管理者に確認してください。
墓じまいは自分ひとりで決めてよいですか?
法的な手続き上は墓地の使用者(名義人)が主体になりますが、お墓には他の親族の心情や信仰も関わります。後のトラブルを避けるため、決める前に親族へ相談し、寺院墓地の場合は早い段階で住職に意向を伝えることをおすすめします。改葬自体には市区町村長の許可が必要です。
墓じまいせずに放置すると法律違反になりますか?
放置してもすぐに何かが起こるわけではありませんが、問題がないとも言い切れません。年間管理料の支払い義務は契約上続き、滞納と連絡の途絶が長期化すると、墓地、埋葬等に関する法律とその関連法令に定められた手続きを経て、無縁墳墓として改葬される可能性があります。管理料を払い、墓地の管理者と連絡が取れる状態を保っていれば、放置とみなされることは基本的にありません。
年間管理料を払わないと、お墓はどうなりますか?
滞納が続くと、墓地の管理者はまず承継者への連絡を試みます。この段階で連絡がつけば、滞納分の支払いか墓じまいの相談かを選ぶ余地が残っています。連絡がつかないまま年月が経過すると、無縁墳墓として法令に定められた手続きを経て改葬される可能性があり、多くの場合は合祀され、合祀後に遺骨を個別に取り出すことは一般に困難です。支払いが負担な場合は、放置する前に管理者へ相談することをおすすめします。
長男でも、お墓を継がないことはできますか?
選択肢はあります。承継の意思がある親族や墓地の近くに住む親族がいれば、名義変更で引き継いでもらう方法があります。引き継げる親族の範囲などの条件は墓地の管理者への確認が必要です。承継する人がいない場合は、墓じまいをして遺骨を永代供養墓などに移す選択肢もあります。決めないまま管理料の滞納や連絡の途絶が続く状態が最も避けたい形なので、早めに親族と話し合うことをおすすめします。
改葬の手続きは自分でやらず、代行に頼めますか?
必要書類をそろえれば自分で申請できる手続きです。書類の作成・提出の代理を専門家(行政書士)に依頼する方法もありますし、墓じまい代行サービスのなかには手続きの取り次ぎまで対応するものもあります。ご自身の状況に合わせて選んでください。
改葬許可申請はどこの市区町村に出しますか?
いま遺骨があるお墓の所在地の市区町村です。墓埋法第5条第2項で、改葬の許可は「死体又は焼骨の現に存する地の市町村長」が行うと定められています。移転先の市区町村ではない点に注意してください。
改葬許可証をなくしてしまったら?
対応は自治体によって異なります。交付を受けた市区町村の窓口に、再交付や証明が受けられるか相談してください。この記事では自治体ごとに異なる取り扱いを断定しません。
散骨する場合も改葬許可は必要ですか?
散骨そのものについては墓埋法に禁止する規定がなく、国(旧厚生省)も「墓地、埋葬等に関する法律においてこれを禁止する規定はない」との見解を示しているとされます(東京都保健医療局の案内による)。節度をもって行う限り問題ないと解されてきましたが、法的な手続きが定められていない一方で、事前に地域の自治体へ確認することがすすめられています。他方で、現在のお墓から遺骨を取り出す行為には管理者の手続きが伴い、改葬許可の要否は自治体によって運用が分かれます。散骨のために遺骨を取り出す場合は、事前にお墓の所在地の市区町村と墓地の管理者に確認してください。
改葬許可申請に親族の同意書は必要ですか?
墓埋法施行規則で添付が求められているのは、申請者が墓地使用者本人でない場合の、使用者の承諾書(またはこれに対抗できる裁判の謄本)です。親族全員の同意書が法令上の要件とされているわけではありません。ただし必要書類は市区町村ごとに異なるため、申請先の案内で確認してください。また、お墓には他の親族の心情も関わるため、手続きを進める前に親族へ相談しておくと、後の行き違いを避けやすくなります。
受入証明書と埋蔵証明書は、どちらを先に取ればいいですか?
先に移転先を確保するのが実務的な順番です。受入証明書は移転先の管理者が発行するもので、移転先が決まらないと用意できず、申請書にも改葬先の記載が必要になるためです。埋蔵の事実を証する書面は現在のお墓の管理者に依頼しますが、発行までに時間がかかることがあるため、並行して早めに依頼しておくと全体が滞りません。なお受入証明書は施行規則上の必須添付ではなく、添付を求めるかどうかは自治体によって異なります。
墓じまいの費用
結局、墓じまいの費用はいくら見ておけばいいですか?
本調査(n=96)では総額50〜100万円が最多の43%で、約65%が50万円以上かかったと回答しています。まず50万〜100万円を目安に見ておき、区画の広さ・立地・遺骨の移転先の選び方で前後すると考えるのが現実的です。正確な金額は石材店の見積もりと移転先への確認で確定します。
この調査結果はどの程度信頼できますか?
過去5年以内の墓じまい経験者96人(39都道府県)へのインターネット調査で、重複回答や矛盾のある回答は集計から除外しています。ただし金額は自己申告のレンジ選択で、領収書等の裏付けはありません。また回答者はネット利用層に偏るため、実際の平均像より費用が低めに出ている可能性があります。
相見積もりを取るのは寺院や指定業者に失礼になりませんか?
指定業者制の墓地では指定に従う必要がありますが、指定がない場合に複数社から見積もりを取ることは一般的な進め方です。本調査でも比較した人は38%おり、3割を超える価格差が出た例が報告されています。心配な場合は「家族と相談するため複数の見積もりを取っている」と伝えれば十分です。
離檀料が高額で困った人はいましたか?
本調査では、支払った人の金額は3万〜20万円が中心(74%)で、50万円を超える回答はありませんでした。ただし「相場が分からず言われるまま支払った」ことへの後悔の声はあります。金額に納得できない場合の対処は、関連記事「離檀料を払わないとどうなる?」をご覧ください。
墓じまいの費用は誰が払うものですか?
法律上の決まりはなく、お墓を承継している人(祭祀承継者)が中心になって負担するのが一般的とされています。実際には兄弟姉妹や親族で分担する家庭も多く、後のトラブルを避けるためにも、工事の前に負担の分け方を話し合っておくことをおすすめします。
見積もりより費用が高くなることはありますか?
あり得ます。納骨室の構造が想定と違った場合や、重機が使えず人力作業が増えた場合などに追加費用が発生することがあります。見積もりの段階で、追加費用が発生する条件と上限の目安を書面で確認しておくと安心です。
費用が用意できないため墓じまいせずに放置すると、どうなりますか?
費用が理由であれば、まず合祀型の永代供養墓を選んで総額を抑える方法があります。管理料の滞納が続くと、墓地の使用契約に基づいて使用権を失う場合があります。また撤去されるまでの管理料負担は続きます。費用を理由に放置するより、合祀型の供養先を選ぶなどで総額を抑えつつ、早めに手続きすることをおすすめします。
遺骨の数によって墓じまいの費用は変わりますか?
総額を大きく左右するのは、墓石の撤去工事費と新しい供養先の費用です。撤去工事費は区画の広さ・墓石の構造・立地などの条件で変わり、供養先の費用は、はじめから合祀されるタイプか個別に安置するタイプかなどの選び方で30万〜100万円程度の幅があります。遺骨の数を含めた個別の条件でいくらになるかは、石材店の見積もりと受け入れ先への確認で確定するため、複数の見積もりを取って比較してください。
お金がなくて墓じまいできない場合、費用を抑える方法はありますか?
3つの方法があります。①撤去工事は複数の石材店から相見積もりを取る(業者によって差が出やすい費目です)、②新しい供養先を合祀型にする(個別に安置する期間があるタイプより費用を抑えやすい一方、合祀後は遺骨を取り出せません)、③お墓のある自治体の窓口で補助制度の有無を確認する、の3つです。放置しても管理料の負担は続くため、総額を抑える形で早めに手続きすることをおすすめします。
墓じまいの補助金はいくらもらえる?
自治体によって異なり、全国一律の金額はありません。金額を公式に明記している例として、群馬県太田市の八王子山公園墓地墓石撤去費用助成金は「墓石撤去にかかった費用の総額、または20万円のいずれか低い方」とされています(太田市公式サイト・2026年確認)。ほかは使用料の一部還付という形で、割合が各自治体の条例で定められている場合が多いため、担当課での確認が必要です。
民間墓地・寺院墓地でも補助金は使える?
使えないのが一般的です。自治体の墓じまい関連の助成は、その自治体が運営する公営墓地(市営・都営など)の返還を対象にしているためです。寺院墓地・民営霊園のお墓には自治体の補助金は原則適用されないと考えてください。
自分の住む市に補助金があるか、どこで調べればいい?
お墓のある市区町村の公式サイトで「墓地」「霊園」「墓石撤去 助成」「返還」などを検索するか、墓地・霊園を管理する担当課に直接問い合わせるのが確実です。他社サイトの一覧は情報が古い場合があり、市川市のように予算到達で受付終了している制度もあるため、最終確認は必ず自治体公式で行ってください。
補助金の申請は工事の前と後、どちらでする?
自治体によって分かれます。太田市のように墓石撤去の完了後に申請する後払い型もあれば、着手前の事前申請が要件の自治体もあるとされます。順番を誤ると対象外になることがあるため、石材店に発注する前に担当課へ手順を確認することをおすすめします。
補助金がない自治体の場合、墓じまい費用を抑える方法はありますか?
あります。多くの場合、補助金より総額への効き目が大きいのは次の方法です。①墓石撤去は複数の石材店から相見積もりを取る(区画の広さ・立地で費用が変わり、業者差も出やすい費目です)、②新しい供養先を合葬墓・永代供養墓・樹木葬・納骨堂など費用を抑えやすい方式にする、③自治体運営の合葬埋蔵施設への改葬を検討する(民間より使用料が抑えられている場合があります。募集時期・資格要件は自治体で確認)。離檀料も法定の料金ではないとされるため、根拠を確認して納得できる範囲で相談してください。
離檀料・檀家
離檀料を払わないと遺骨を返してもらえない?
離檀料の支払いを遺骨引き渡しの条件とする法的根拠は確認されていません。改葬許可は市区町村が交付するものです。寺院が応じない場合は、宗派の本山または消費者ホットライン188に、経緯のメモを持って相談することが勧められています。
離檀料は誰に・いつ渡す?
閉眼供養(魂抜き)の法要時などに、住職へお布施として渡すのが一般的とされています。表書きは「お布施」で問題ないとする解説が多数です。
檀家をやめるだけで墓じまいしない場合も離檀料は必要?
寺院墓地にお墓を残したまま檀家だけをやめることは、墓地使用規則上できない場合が多く、実質的に墓じまいとセットになります。まず規則の確認をおすすめします。
檀家料・年間管理料と離檀料は別物ですか?
別物です。離檀料は、檀家関係を終了して墓じまいするときに、これまでの供養への感謝として一度渡すお布施の一種です。檀家として寺院を支えるために続けて納めてきたお布施や管理料とは位置づけが異なります。なお、離檀時の費用について墓地使用規則や檀家契約に定めがある場合はそちらが優先されるため、まず契約書類の確認をおすすめします。
相場を大きく超える数百万円の離檀料を請求されることはあるのですか?
業界の公開情報では、離檀料の目安は3万〜20万円程度、アンケート最多層でも10万〜50万円未満とされています。離檀料は法律で定められた料金ではないため、これを大きく超える提示があった場合は、根拠を確認してよい金額です。契約書類に定めがあるかを確認し、寺院に金額の根拠を尋ねたうえで、話し合いで解決しない場合は宗派の本山や消費者ホットライン188、弁護士への相談が選択肢とされています。
離檀料を払わないと墓じまいはできないのですか?
改葬の許可を出すのは市区町村であり、墓地、埋葬等に関する法律が定める改葬許可の要件に、離檀料の支払いは含まれていません(e-Gov法令検索参照)。ただし実務上は遺骨の取り出しや書類などで寺院の協力が必要な場面があり、関係がこじれると手続きが進めにくくなることがあります。
高額な離檀料を請求されました。どこに相談すればよいですか?
まず契約書類に定めがあるかを確認し、寺院に金額の根拠を尋ねてください。話し合いで解決しない場合は、宗派の本山、公的窓口である消費者ホットライン188(消費生活センター)、法的な対応が必要なら弁護士への相談が選択肢になります。
そもそも離檀料は必ず発生するお金ですか?
いいえ。業界の公開情報では、離檀料は感謝として渡すお布施の一種で、請求されないケースや慣習自体がない寺院・地域もあると解説されています。相場の目安は3万〜20万円程度、アンケート最多層は10万〜50万円未満とされています(いいお墓・鎌倉新書)。
離檀料を払わないと埋葬証明書を書いてもらえないと言われました。改葬できなくなりますか?
改葬の許可を出すのは寺院ではなく市区町村で、墓地、埋葬等に関する法律が定める許可の要件に、離檀料の支払いは含まれていません。ただし申請には埋葬・埋蔵の事実の証明が関わるため、実務上は墓地の管理者である寺院の協力があるほうが手続きは円滑に進みます。書類への協力を得られない場合は、日付ややり取りの経緯を記録したうえで、宗派の本山、消費者ホットライン188(消費生活センター)、弁護士への相談が選択肢とされています。
離檀料は必ず支払わなければいけませんか?
離檀料は法律で定められた費用ではなく、契約や使用規則に定めがない限り支払いの法的義務はないとの解説が一般的です。一方で、感謝のお布施として3万〜20万円程度を渡す慣習があると業界の公開情報では紹介されています。
お墓を残したまま、檀家だけをやめることはできますか?
寺院墓地では、檀家であることが墓地使用の条件になっている場合が多く、その場合は離檀と墓じまいがセットになります。可否は各寺院の墓地使用規則によるため、まず契約内容を確認したうえで寺院に相談してください。
改葬の手続きは自分でできますか?
改葬許可申請は、必要書類をそろえれば自分で行える手続きです。墓埋法により市区町村長の許可が必要と定められているため、まずお墓のある市区町村の窓口で必要書類を確認してください。書類の作成・提出の代理を行政書士に依頼することもできます。
檀家をやめた後、法事やお葬式はどうなりますか?
檀家をやめると寺院との関係は終了するため、これまでのようにその寺院へ葬儀・法要をお願いする前提はなくなります。今後の法要や供養をどうするかは、遺骨の移転先(永代供養墓・納骨堂・樹木葬など)を決める家族の話し合いとあわせて検討しておくと、離檀後に迷いにくくなります。移転先で法要にどこまで対応してもらえるかは、受け入れ先の管理者に確認してください。
お寺にお墓がない檀家でも、やめるときに手続きは必要ですか?
改葬許可などの行政手続きは、お墓から遺骨を別の場所へ移す場合に必要になるものです。寺院墓地にお墓がなければ、この手続きは基本的に発生しません。一方で、檀家としての契約や護持会費などの取り決めが書面にあるかを確認したうえで、寺院に事情を伝えて関係を整理する流れは同じです。感謝を先に伝え、通告ではなく相談の形で切り出すと、話し合いが穏やかに進みやすいとされています。
本記事は一般的な情報提供を目的としたものであり、個別の法的助言・税務相談ではありません。個別の判断が必要な場合は税理士・行政書士・弁護士等の専門家にご相談ください。