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老人ホームの探し方は3つ|紹介会社の手数料は誰が払うのか

更新日:2026-08-02|読了目安:約12分|運営:サトコト合同会社

食卓に資料と手描きの地図を広げ、指をさしながら相談する母と娘の水彩イラスト

老人ホームの探し方は、大きく3つに分かれます。①ケアマネジャーや地域包括支援センター、病院の相談員といった専門職に相談する、②紹介会社(紹介サイト)に相談する、③公的な検索システムで自分で探す、の3つです。親のあと手帖編集部が2026年7月に110人へ行ったアンケートでは、実際に頼った先の1位はケアマネジャーでした。紹介手数料を誰が払う仕組みなのかも、厚生労働省の公表資料で確認します。

この記事の要点

  • 紹介手数料は成約時に施設側から支払われ、入居希望者が払う仕組みではありません
  • 紹介事業への法規制は現在なく、中立性を担保する公的な制度もありません
  • 経験者110人が実際に頼った先の1位はケアマネジャー62%、紹介会社は17%
施設探しの情報源(複数選択・n=110/親のあと手帖「介護施設の費用アンケート」2026年7月)
情報源回答数割合
ケアマネジャー68人62%
ネット検索48人44%
病院・ソーシャルワーカー30人27%
地域包括支援センター29人26%
知人・家族28人25%
紹介サイト・紹介会社19人17%
その他2人2%
本調査はインターネット調査(クラウドソーシング利用)で、対象は過去5年以内に親または配偶者の親を介護施設・老人ホームに入居させ、毎月の請求額をおおよそ把握していた人。有効回答は110人、施設所在地は35都道府県です。複数回答のため合計は100%を超えます。回答者はネット利用層に偏っているため、全国の実勢を代表する数字としてではなく、「経験者110人が実際に頼った先の分布」としてお読みください。

医療・介護の現場から示された選択肢の中で決めている人が多数派で、紹介サイト・紹介会社を挙げた人は17%でした。

厚生労働省の検討会がまとめた資料でも、有料老人ホームの入居ルートで最も多いのは本人・家族等からの直接申込みです。紹介事業者による紹介は特定施設(介護付有料老人ホーム等)で25%程度、住宅型有料老人ホーム・サービス付き高齢者向け住宅で1割程度とされています(令和2年度の調査研究による数値。近年、都市部を中心に紹介事業者の存在感が増しているとの記述が併記されています)。

どれから始めるか:いま置かれている状況で決まります

3つのルートは並列に選ぶものではなく、いまどの段階にいるかで最初に当たる先が決まります。詳しい根拠は以下の各章で扱いますが、先に対応関係だけ整理しておきます。

状況別・最初に相談する先
いまの状況まず当たる先
在宅で介護保険サービスを利用している担当のケアマネジャーに相談する
要介護認定をまだ受けていない地域包括支援センター(認定を受けていなくても相談できます)
入院中で、退院後の行き先を探している病院の相談室・医療ソーシャルワーカー(MSW)
退院の期限が迫っている/対象エリアが広い/家族に時間がない上記と併せて、紹介会社の利用を検討する
まだ時間に余裕がある介護サービス情報公表システム等で自分で調べ、候補の重要事項説明書を取り寄せる

紹介会社が向く場面と、使うときに確認すること

紹介会社は、候補集めを外に出すための手段です。使う前に、お金の流れを確認してください。自社調査では、探し始めてから入居までの期間は85%が6ヶ月以内、検討した施設数は75%が2〜3ヶ所でした(n=110)。多くの家庭は、病院の退院期限や空き状況といった外部の事情の中で決めていると考えられます。候補集めを外に出す意味は、時間の制約が強い局面ほど大きくなります。

向く場面

  • 退院の期限が決まっていて、家族が候補を集めて回る時間がない
  • 実家の近く・自宅の近くなど、探す対象エリアが広く、施設の数が多い
  • そもそもどんな種類の施設があるのか、どこに空きがあるのかの見当がつかない

使うときに確認すること

  1. 高住連の届出事業者一覧に載っているかを見る。業界団体の自主的な制度であり品質保証ではありませんが、行動指針の遵守に同意している事業者かどうかは確認できます。
  2. 成約時に施設側から手数料を受け取ることと、その算定方法を、事前に書面で示してもらえるかを聞く。これはとりまとめが紹介事業者に求めている対応そのものです。応じるかどうかで、事業者の姿勢が分かります。
  3. 紹介された施設が、なぜその候補になったのかを聞く。紹介事業者は本来、入居契約に関与しない立場です。契約は施設と結ぶものであり、条件の説明責任は施設側にあります。
  4. 紹介された施設については、後述の重要事項説明書を自分でも取り寄せる。紹介会社を通しても、施設に直接請求できます。

候補が出てきたあと、見学の場で何を聞くかは、同じ110人の回答から質問の形に起こしています。介護施設の見学チェックリスト|家族110人が請求書で初めて知った費用をご利用ください。

紹介会社の手数料は、成約時に施設側から支払われる

最初に、いちばん誤解されやすいお金の流れを確認します。厚生労働省の「有料老人ホームにおける望ましいサービス提供のあり方に関する検討会」が令和7年11月5日にまとめた文書は、紹介事業者に必要な対応として次のように記しています。

中立的な立場から、正確な情報に基づき入居希望者の希望に合った有料老人ホームを紹介すること、成約時に有料老人ホーム側から紹介手数料を受領すること、紹介手数料の算定方法等を、入居希望者に対し事前に書面で明示するといった対応が必要である(とりまとめ25ページ)出典:厚生労働省「有料老人ホームにおける望ましいサービス提供のあり方に関する検討会 とりまとめ」(紹介手数料は成約時に有料老人ホーム側から受領(25ページ)/紹介事業者に対する法規制は存在しない(23ページ脚注)/届出事業者数629(令和7年4月時点)/手数料の平均額20万円台等は高住連(業界団体)の実態調査を引用したもの/介護サービス情報公表システムとサ高住情報提供システムに関する指摘(18〜19ページ))

つまり紹介手数料は、成約時に有料老人ホーム側から紹介事業者へ支払われる建て付けであり、入居希望者が紹介事業者に費用を払う仕組みにはなっていません。紹介サイトが「相談無料」と書いているのは、この構造を前提にした表示だと読めます。

ただし「入居者側には一切お金がかからない」と言い切れるほど、法律関係がはっきりしているわけではありません。同じとりまとめには、入居希望者と紹介事業者との間には必ずしも契約があるわけではない、という記述があります(検討会の構成員から出た意見として記録されている部分で、厚生労働省の確定した見解ではありません)。

手数料の水準は、業界団体の調査でしか分かっていない

では施設はいくら払っているのか。公的な統計はありません。とりまとめが引用しているのは、業界団体である高齢者住まい事業者団体連合会(高住連)の実態調査です。

その調査によると、紹介事業者ごとの紹介手数料の平均額は20万円台、月額家賃の1〜2ヶ月相当とする事業者が約半数とされています。がん末期や難病の方について、月額家賃と比べて高額な設定の事例も確認されたと記されています。調査主体は業界団体であり、厚生労働省自身の統計ではない点に注意してください。

この手数料が問題として取り上げられた経緯もはっきりしています。令和6年秋、有料老人ホームが入居者募集の際に、紹介事業者に対して要介護度や医療の必要度に応じた高額な紹介手数料を支払うという、社会保障費の使途の適切性に疑念を持たれる事案が明らかになりました。これを受けて、有料老人ホームの設置運営標準指導指針(令和6年12月6日最終改正)は、施設側に対して次の2点を求めています。

  • 入居希望者の介護度や医療の必要度等の個人の状況や属性に応じて手数料を設定するといった、社会保障費の不適切な費消を助長するとの誤解を与えるような手数料の設定を行わないこと。また、そうした手数料の設定に応じないこと
  • 紹介事業者に対して、入居者の月額利用料等に比べて高額な手数料と引き換えに、優先的な入居希望者の紹介を求めないこと

手数料の算定方法についても、とりまとめは「賃貸住宅の仲介を参考に、月当たりの家賃・管理費等の居住費用をベースに算定することが適切である」という方向性を示しています。裏を返せば、要介護度や医療の必要度で手数料が変わる設定が現に存在し、それが是正の対象になっている、ということです。読者の側から見ると、支払うのは自分ではないけれども、どの施設が提案されるかにこの構造が効きうる、という理解になります。

紹介事業には、いまのところ法規制がない

紹介会社を使うかどうかを判断するうえで、手数料の流れと同じくらい重要なのが、この事業がどう規制されているかです。結論から書くと、規制されていません。とりまとめは脚注で次のように記しています。

宅地建物取引業の場合は仲介業者に対しての法規制があるが、高齢者住まいの入居紹介業の場合は、仲介ではなく単なる情報提供のみを行うため、宅建業の規制が適用されないこととされている。現在、紹介事業者に対して法規制は存在しない一方で、有料老人ホーム運営事業者に対しては老人福祉法に基づく法規制が存在している(とりまとめ23ページ脚注)出典:厚生労働省「有料老人ホームにおける望ましいサービス提供のあり方に関する検討会 とりまとめ」(紹介手数料は成約時に有料老人ホーム側から受領(25ページ)/紹介事業者に対する法規制は存在しない(23ページ脚注)/届出事業者数629(令和7年4月時点)/手数料の平均額20万円台等は高住連(業界団体)の実態調査を引用したもの/介護サービス情報公表システムとサ高住情報提供システムに関する指摘(18〜19ページ))

賃貸住宅を借りるときの不動産会社には宅地建物取引業法があり、重要事項説明や記名・押印で責任の所在がはっきりします。同じとりまとめも、不動産であれば仲介会社が契約書や重要事項説明書に押印して責任所在をはっきりさせるプロセスがあるのに対し、紹介事業者にはそうしたルールは特段ない、と指摘しています。紹介事業者は本来、入居契約そのものには関与しない立場にあるとも書かれています。

したがって、紹介会社の中立性を制度で担保する仕組みは、2026年8月時点で存在しません。「登録制だから安心」「認定を受けているから中立」という説明は、少なくとも公的な制度としては裏づけがない、ということです。とりまとめ自身が、手数料の高い施設に誘導される懸念や、要介護度が重い人ほど手数料が高く設定されている例があることを、現状の課題として挙げています。

あるのは、業界団体の自主的な届出公表制度が1つだけ

まったく何もないわけではありません。存在するのは「高齢者向け住まい紹介事業者届出公表制度」という業界団体の自主的な制度で、令和2年10月1日から運用されています。届出をした事業者は一覧として公表され、令和7年4月時点の届出事業者数は629事業者です。

運営しているのは、公益社団法人全国有料老人ホーム協会・一般社団法人全国介護付きホーム協会・一般社団法人高齢者住宅協会の3団体で構成する高齢者住まい事業者団体連合会(高住連)です。

  • 国や自治体の制度ではなく、業界団体が運営する自主的な制度です。届出をしていること自体が、公的な審査に通ったことを意味するものではありません。
  • 標準指導指針は、有料老人ホームに対して「同制度に届出を行い、行動指針を遵守している事業者を選定することが望ましい」としています。望ましい、という努力目標であって、義務ではありません。
  • 一定の基準を満たした事業者を優良事業者として認定する仕組みについて、とりまとめは「創設が有効である」としています。これから作る段階の話で、2026年8月時点でそうした認定制度は存在しません。

つまり、届出の有無は「業界団体の行動指針に従うと表明しているかどうか」を示す情報であって、品質の保証ではありません。ただし何も手がかりがない状態よりは、確認できる材料が1つある、という位置づけで使えます。

62%はケアマネジャーから。まず身近な専門職に相談する

電話で相談しながらメモを取る女性の水彩イラスト

自社調査で最も多かった情報源は、ケアマネジャー(62%)でした。すでに在宅で介護保険サービスを使っているなら、最初の相談先はここになります。

ケアマネジャーが所属する指定居宅介護支援事業者には、省令で公正中立の義務が定められています。「指定居宅介護支援事業者は、利用者に提供されるサービス等が特定の種類又は特定の事業者に不当に偏することのないよう、公正中立に行われなければならない」(指定居宅介護支援等の事業の人員及び運営に関する基準 第1条の2第3項)。

同じ基準は、契約を結ぶときに、利用者は複数の指定居宅サービス事業者等を紹介するよう求めることができる旨を説明し、理解を得なければならないとも定めています。提案が1ヶ所だけだったときに「ほかの選択肢も出してほしい」と言うのは、制度が想定している範囲の依頼です。

ただし、ケアマネジャーは居宅介護支援(在宅でのケアプラン作成など)の専門職であり、施設探しそのものが本来業務として規定されているわけではありません。とりまとめも、ソーシャルワーカーやケアマネジャー等が紹介事業者をよく理解せずに入居者の住まい探しを丸投げしてしまうケースがあることを、課題として挙げています。「頼めば探してくれる」と期待するのではなく、相談先の1つとして、こちらでも条件を整理して持ち込むほうが話が進みます。

まだ介護保険を使っていない、担当のケアマネジャーがいないという段階なら、地域包括支援センターがあります。市町村が設置主体で、保健師・社会福祉士・主任介護支援専門員等が配置されています。全国に5,487か所あります(令和7年4月末現在。ブランチ・サブセンターを含めると7,374か所)。

総合相談支援事業は「地域の高齢者や家族介護者に対して、初期段階から継続的・専門的に相談支援を行い、地域における様々なサービス等につなげる」ものとされ、要介護認定を受けていることは要件になっていません。とりまとめも、住まいの相談ルートとして自治体・医療機関・地域包括支援センター・ケアマネジャー・医療ソーシャルワーカー等を挙げています。

入院中であれば、病院の医療ソーシャルワーカー(MSW)が窓口になります。医療ソーシャルワーカー業務指針は、令和8年3月13日に全部改正されました。

同指針は業務として「入退院支援・療養支援」を掲げ、転院・入退所等の療養環境の変化や、居宅等における療養生活に伴い生じる心理的・社会的・経済的課題を予測し、その発生を予防するとともに早期の対応を行うこと、と定めています。また「専門職として、中立的立場を保持した上で、社会福祉の専門的知識及び技術に基づき支援を行うこと」とされています。

相談の相手として位置づけられている職種であって、施設の紹介そのものが業務として書かれているわけではない、という理解が現行の指針に沿った読み方です。

自分で探す:公的な検索は2系統、武器は重要事項説明書

窓辺の机に置かれた書類と開いた手帳、電卓、湯気の立つカップの水彩イラスト

自分で調べる場合、公的な検索の入口は2つあります。ただし、この2つは使い勝手が対称ではありません。とりまとめがそれぞれについて別の評価をしているので、そのまま紹介します。

介護サービス情報公表システム(厚生労働省)

介護保険法第115条の35は、介護サービス事業者に介護サービス情報の都道府県知事への報告を義務づけ、都道府県知事にその公表を義務づけています(報告をしない・虚偽報告をした場合、都道府県知事は是正命令を出すことができ、従わない場合は指定の取消し・効力停止ができます)。

この仕組みの検索サイトが介護サービス情報公表システムで、全国約21万か所の介護サービス事業所に加え、地域包括支援センターや有料老人ホームも検索できます。掲載事項には次のものが含まれます。

  • 所在地・運営方針・サービス提供地域・営業時間
  • サービスの特色
  • 利用者の状況・従業者の状況
ただし、とりまとめには「掲載されていない有料老人ホームが多数あり、ここからは十分な情報を得られない」という指摘が記載されています。ここで見つからないから存在しない、とは考えないでください。特に有料老人ホームについては、このシステムだけで候補を出し切ることはできません。

サービス付き高齢者向け住宅情報提供システム(国土交通省ドメイン)

サービス付き高齢者向け住宅(サ高住)については、登録制度に基づく情報提供システムがあります。とりまとめは、こちらでは詳細な情報も閲覧でき、入居希望者が紹介事業者を通さずに自ら立地・費用・サービス等について検索・抽出し、見学に行くことまでできているのではないか、との指摘を記載しています。

同じ「公的な検索」でも、有料老人ホーム側と評価がはっきり分かれています。なお、このシステムの運営は一般社団法人高齢者住宅協会(業界団体・高住連の構成団体)です。

候補が出たら、重要事項説明書を取り寄せる

自分で探すルートで最も強い武器は、検索サイトではなく重要事項説明書です。老人福祉法第29条第7項は、有料老人ホームの設置者に対し、入居する者または入居しようとする者に対して、供与する介護等の内容その他の事項に関する情報を開示しなければならないと定めています。標準指導指針は、この規定を受けて交付のタイミングまで書いています。

  • 重要事項説明書は、入居相談があったときに交付するほか、求めに応じて交付すること(標準指導指針5⑷二)。契約の前どころか、相談の段階で請求できます。
  • 設置時に老人福祉法第29条第1項の届出を行っていない場合や、指針に基づく指導を受けている場合は、重要事項説明書にその旨を記載するとともに、入居希望者に十分に説明すること(同5⑷四)。届出や指導の状況は、この書類を見れば分かる建て付けになっています。
  • パンフレット、重要事項説明書、入居契約書、管理規程等を公開するものとし、求めに応じ交付すること(同13⑴)。
  • 貸借対照表及び損益計算書またはそれらの要旨についても、入居者及び入居希望者の求めに応じ閲覧に供すること。事業収支計画についても閲覧に供するよう努め、財務諸表は求めがあれば写しを交付するよう配慮すること(同13⑵)。運営会社の財務状況まで、請求できる建て付けです。
  • 契約締結前に十分な時間的余裕をもって重要事項説明書と個別の入居契約書について説明を行い、その際は説明した者・受けた者の署名を行うこと(同5⑷三)。

説明すべき事項には、設置者の概要、有料老人ホームの類型、サ高住登録の有無、設置者または関係事業者が入居者に提供することが想定される介護保険サービスの種類、入居者が希望する介護サービスの利用を妨げない旨が含まれます。これらは紹介会社を通しても通さなくても、施設に対して直接請求できるものです。

広告の見方についても、目安があります。入居募集の広告等は、公正取引委員会告示「有料老人ホームに関する不当な表示」を遵守することとされています。同告示は次の7項目について、制約事項があるのに明瞭に記載されていない場合等を不当表示としています。

  • 土地・建物
  • 施設・設備
  • 居室の利用
  • 医療機関との協力関係
  • 介護サービス
  • 介護職員等の数
  • 管理費等

また、特定施設入居者生活介護の指定を受けていない有料老人ホームは「介護付」「ケア付き」等の表示を行ってはならないとされています。

「介護付」「住宅型」「サ高住」といった呼び方が制度上どこに位置づけられていて、それぞれ誰が入居できるのかは、別の記事で一覧にしています。候補を集める前に、探す対象の種類を絞るほうが早く進みます。介護施設の種類は7つ|入居できる条件と制度上の位置づけを一覧で整理をご利用ください。

3つのルートをどう組み合わせるか。85%が6ヶ月以内に決めている

以上をまとめると、それぞれのルートには次のような性質があります。どれか1つを選ぶというより、時間の制約に応じて重ねるものだと考えるほうが実際的です。

3つのルートの性質
ルート位置づけ留意点
ケアマネジャー・地域包括支援センター・病院の相談員自社調査で最も多い情報源(ケアマネジャー62%)。ケアマネジャーの所属事業者には省令上の公正中立義務がある施設探し自体は居宅介護支援の本来業務として規定されていない。丸投げにならないよう、条件はこちらで整理して持ち込む
紹介会社・紹介サイト手数料は成約時に施設側から支払われる建て付け。候補集めを外に出せる紹介事業者に対する法規制は存在せず、中立性を担保する公的な制度もない。届出公表制度は業界団体の自主的な制度
自分で探す介護サービス情報公表システムとサ高住情報提供システムの2系統。重要事項説明書と財務諸表を相談段階から請求できる介護サービス情報公表システムには掲載されていない有料老人ホームが多数あるとの指摘がある。ここだけで候補を出し切れない

自社調査では85%が6ヶ月以内に入居先を決め、75%が2〜3ヶ所しか見ていません。時間ができてから比べ直すという前提は、実際にはあまり成り立ちません。必要になる前に、通える範囲の施設を1〜2ヶ所だけでも見て、重要事項説明書を受け取っておくと、急に決めることになったときの判断材料が手元に残ります。

よくある質問

Q.紹介サイトの相談が無料なのは、なぜですか?

A.紹介手数料は、成約時に有料老人ホーム側から紹介事業者へ支払われる建て付けです(厚生労働省の検討会とりまとめ25ページ)。入居希望者が紹介事業者に費用を払う仕組みにはなっていません。ただし「入居者側には一切お金がかからない」と法的にはっきりしているわけではなく、同じとりまとめには、入居希望者と紹介事業者との間には必ずしも契約があるわけではない、という記述もあります。相談を始める前に、手数料を誰から受け取るのか、算定方法はどうなっているのかを書面で示してもらうのが確実です。これはとりまとめが紹介事業者に求めている対応そのものです。

Q.紹介会社に登録しないと、施設は探せませんか?

A.探せます。公的な検索の入口として、介護サービス情報公表システム(厚生労働省)とサービス付き高齢者向け住宅情報提供システムの2つがあります。とりまとめは後者について、入居希望者が紹介事業者を通さずに自ら検索し見学に行くことまでできているのではないか、と記載しています。一方で前者については、掲載されていない有料老人ホームが多数あり十分な情報を得られない、という指摘も併せて記載されています。有料老人ホームについては検索だけで候補を出し切るのは難しいため、ケアマネジャーや地域包括支援センターへの相談と組み合わせるのが現実的です。なお、候補が決まったあとに施設へ重要事項説明書を請求することは、紹介会社を通さなくてもできます。

Q.ケアマネジャーに施設探しを頼んでもいいですか?

A.相談先として妥当ですが、期待の置き方には注意が必要です。ケアマネジャーが所属する指定居宅介護支援事業者には、サービス等が特定の種類・特定の事業者に不当に偏らないよう公正中立に行う義務が省令で定められており、契約時には利用者が複数の事業者を紹介するよう求めることができる旨を説明することとされています。したがって「ほかの選択肢も出してほしい」と依頼することはできます。ただしケアマネジャーは居宅介護支援の専門職で、施設探し自体が本来業務として規定されているわけではありません。厚生労働省の検討会も、ソーシャルワーカーやケアマネジャー等が紹介事業者をよく理解せずに住まい探しを丸投げしてしまうケースを課題として挙げています。地域・費用の上限・譲れない条件をこちらで整理してから相談するほうが、話が早く進みます。

Q.見学の前に、何を取り寄せておけばいいですか?

A.重要事項説明書です。標準指導指針は、有料老人ホームの設置者に対し、重要事項説明書を「入居相談があったときに交付するほか、求めに応じ交付すること」と定めています。契約前どころか、相談の段階で請求できます。加えて、設置時の届出を行っていない場合や指針に基づく指導を受けている場合は、その旨を重要事項説明書に記載する義務があります。運営会社の貸借対照表・損益計算書またはその要旨も、入居希望者の求めに応じて閲覧に供することとされており、写しの交付についても配慮するよう求められています。パンフレットの月額表だけでは分からない部分が、ここに集まっています。

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出典・参考

本記事は一般的な情報提供を目的としたものであり、個別の法的助言・税務相談ではありません。個別の判断が必要な場合は税理士・行政書士・弁護士等の専門家にご相談ください。

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