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墓じまいしないとどうなる?放置されたお墓の行く末と判断基準

更新日:2026-07-16|読了目安:約7分|運営:サトコト合同会社

郊外の墓地を静かに見つめる男性の水彩イラスト

墓じまいをしないとどうなるのか。結論から言うと、すぐに何かが起こるわけではありません。ただし、墓地の管理料の滞納が続き、管理者が承継者と連絡を取れない状態が長期化すると、最終的には無縁墓として整理(改葬)される可能性があります。この記事では、お墓をそのままにした場合に起こることを段階的に整理し、放置とみなされる前に取れる選択肢と判断基準をまとめます。

お墓をそのままにした場合に起こること

「墓じまいをしない」という状態には、実際には2つのパターンがあります。1つは管理料を払いながらお参りだけしなくなるパターン、もう1つは管理料の支払いも止まり、墓地の管理者と連絡が取れなくなるパターンです。起こることは段階的に変わっていきます。

段階1:管理料の請求は続く

寺院墓地や霊園にお墓がある場合、承継者には年間管理料(寺院の場合は護持会費など)の支払い義務が契約上続きます。お参りに行かなくなっても、この請求が自動的に止まることはありません。承継者が亡くなった場合は、次の承継者に引き継がれるのが一般的です。つまり「何もしない」ことは、費用と管理義務を次の世代に渡すことと同じ意味を持ちます。

段階2:滞納が続き、連絡が取れなくなった場合

管理料の滞納が続くと、墓地の管理者はまず承継者への連絡を試みます。転居や代替わりで連絡先がわからなくなっている場合、管理者は名義人や縁故者を探す対応を取ります。この段階で連絡がつけば、滞納分の支払いか、墓じまいの相談かを選ぶ余地が残っています。問題は、この連絡がつかないまま年月が経過した場合です。

段階3:無縁墳墓として改葬される可能性

縁故者がいない、または連絡が取れないお墓は「無縁墳墓」として扱われることがあります。無縁墳墓の改葬については、墓地、埋葬等に関する法律(墓埋法)とその関連法令に手続きが定められており、墓地の管理者は法令に定める手続きを経たうえで、遺骨を別の場所(合祀墓など)に移すことができます。

改葬(埋葬した遺骨を他の墳墓等に移すこと)を行うには市区町村長の許可が必要とされており、無縁墳墓の改葬についても同法に基づく手続きが定められています。出典:e-Gov法令検索「墓地、埋葬等に関する法律」
無縁墳墓として整理された後の遺骨は、多くの場合ほかの方の遺骨とともに合祀されます。合祀後に遺骨を個別に取り出すことは一般に困難です。「いつか自分たちで墓じまいしよう」と考えている場合、その前に整理が進んでしまうと選択肢がなくなる点は知っておく必要があります。

放置とみなされる前にできる3つの選択肢

お墓の扱いに迷っている段階なら、取れる選択肢は大きく3つあります。墓じまいだけが答えではありません。

  1. 現状維持で管理を続ける:管理料を払い続け、お参りできる範囲で維持する選択です。お墓が遠方でも、管理者と連絡が取れていれば「放置」にはなりません。当面の負担は年間管理料のみで済みます。
  2. 親族に承継する:自分より墓地の近くに住む親族や、承継の意思がある親族がいれば、名義変更で引き継ぐ方法があります。墓地の管理者に承継の条件(親族の範囲など)を確認するところから始まります。
  3. 墓じまいして永代供養などに移す:お墓を撤去して墓地を返還し、遺骨を永代供養墓・納骨堂・樹木葬などに移す選択です。改葬には市区町村長の許可が必要で、移転先の受入証明などを揃えて手続きします。

どれを選ぶにしても、共通して重要なのは「墓地の管理者と連絡が取れる状態を保つこと」です。連絡が取れてさえいれば、判断を急がされることは基本的にありません。

明るい木漏れ日の永代供養墓と樹木葬の丘の水彩イラスト

墓じまいする場合の費用感

選択肢を比較するうえで気になるのが費用です。霊園・墓地紹介サイト「いいお墓」(鎌倉新書)によると、墓じまいにかかる費用の総額目安はおおむね30万〜150万円とされています。墓石の撤去・区画の返還にかかる工事費のほか、閉眼供養のお布施、遺骨の移転先(永代供養墓など)の費用が含まれ、お墓の広さや移転先の選び方によって総額は大きく変わります。

墓じまい費用の全体像
項目内容
総額の目安おおむね30万〜150万円(いいお墓)
主な内訳墓石の撤去・区画返還の工事費、閉眼供養のお布施、改葬手続き、遺骨の移転先の費用
変動要因お墓の広さ・立地、移転先の種類(合祀・納骨堂・樹木葬など)、遺骨の数
上記の費用目安は霊園・墓地紹介の事業者サイトによるものです。実際の金額は石材店の見積もりと移転先の料金で確定するため、複数の見積もりを取って比較することをおすすめします。

改葬(墓じまい)を選ぶ人は増えている

厚生労働省「衛生行政報告例」の統計を集計した民間データによると、改葬件数は2024年度に約17.6万件と、10年前の約2倍に増えています。お墓の承継が難しくなるなかで、無縁化する前に自分の代で整理するという選択は、特別なことではなくなりつつあります。

上記の件数は厚生労働省の統計をもとにした民間集計(墓じまい事業者サイトによる)です。元データは厚生労働省「衛生行政報告例」で公表されています。

判断基準チェックリスト

墓じまいを検討すべきかどうかは、次の項目でおおよそ判断できます。当てはまる項目が多いほど、早めに家族・親族で話し合う価値があります。

  • 自分の次にお墓を承継する人が決まっていない、または承継の意思を確認していない
  • お墓が遠方にあり、年1回以上のお参りや掃除が現実的に難しい
  • 管理料の支払いを負担に感じている、または誰が払っているか把握していない
  • 墓地の管理者(寺院・霊園)と最後に連絡を取ってから数年以上経っている
  • 子どもに管理の負担を残したくないと感じている

逆に、承継者が決まっており、管理料の支払いとお参りが無理なく続けられているなら、急いで墓じまいをする必要はありません。大切なのは「決めないまま時間が経つ」状態を避けることです。

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よくある質問

Q.管理料を払い続けていれば、お参りに行かなくても問題ありませんか?

A.管理料を払い、墓地の管理者と連絡が取れる状態であれば、無縁墳墓として扱われることは基本的にありません。ただし、承継者が決まっていない場合、将来の判断が先送りされている状態は変わらないため、次の世代への引き継ぎ方は早めに話し合っておくことをおすすめします。

Q.無縁墓として整理されると、遺骨はどうなりますか?

A.墓地、埋葬等に関する法律とその関連法令に定められた手続きを経て、墓地の管理者が遺骨を別の場所に改葬します。多くの場合は合祀墓などに移され、合祀後に個別の遺骨を取り出すことは一般に困難です。詳細な手続きや扱いは墓地・自治体によって異なるため、気になる場合は墓地の管理者に確認してください。

Q.墓じまいは自分ひとりで決めてよいですか?

A.法的な手続き上は墓地の使用者(名義人)が主体になりますが、お墓には他の親族の心情や信仰も関わります。後のトラブルを避けるため、決める前に親族へ相談し、寺院墓地の場合は早い段階で住職に意向を伝えることをおすすめします。改葬自体には市区町村長の許可が必要です。

出典・参考

本記事は一般的な情報提供を目的としたものであり、個別の法的助言ではありません。法的判断が必要な場合は行政書士・弁護士等の専門家にご相談ください。 記載の費用・相場は出典元の公開情報に基づく目安であり、実際の金額は寺院・霊園・業者により異なります。

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