親の死後にやること一覧|期限順の手続きカレンダー【2026年版】
更新日:2026-07-24|読了目安:約12分|運営:サトコト合同会社

親を亡くしたあとの手続きは、死亡届(7日以内)から相続登記(3年以内)まで、期限がばらばらのまま一度に押し寄せます。全部を覚える必要はありません。大事なのは「期限があるものはどれか」「あとから落ち着いてやればいいものはどれか」の区別だけです。この記事では、必要な手続きを期限の早い順に一覧化し、それぞれの窓口と注意点を、法務省・国税庁・日本年金機構などの公的情報の出典つきで整理します。
まず全体像:期限順の手続きカレンダー
| 期限 | 手続き | 窓口 |
|---|---|---|
| 7日以内 | 死亡届の提出・火葬(埋葬)許可申請 | 市区町村役場(葬儀社が代行することが多い) |
| 10日以内 | 厚生年金の受給停止(受給権者死亡届) | 年金事務所 |
| 14日以内 | 国民年金の受給停止 | 年金事務所 |
| 14日以内 | 世帯主変更届(該当する場合) | 市区町村役場 |
| 14日以内 | 国民健康保険・後期高齢者医療・介護保険の資格喪失 | 市区町村役場 |
| 3か月以内 | 相続放棄・限定承認の申述 | 家庭裁判所 |
| 4か月以内 | 準確定申告(該当する場合) | 税務署 |
| 10か月以内 | 相続税の申告・納付(該当する場合) | 税務署 |
| 3年以内 | 相続登記(不動産を相続した場合・義務) | 法務局 |
| 時効2年 | 葬祭費・埋葬料・高額療養費の請求 | 市区町村役場・健康保険組合等 |
| 時効3年 | 生命保険の死亡保険金の請求 | 各保険会社 |
| 時効5年 | 未支給年金・遺族年金の請求 | 年金事務所 |
【7日以内】死亡届と火葬の手続き
- 病院から死亡診断書(死体検案書)を受け取ります。以後の手続きのほとんどで提示を求められるため、この段階でコピーを5〜10枚用意しておくのがおすすめです
- 死亡届の期限は「死亡の事実を知った日から7日以内」。提出先は市区町村役場で、あわせて火葬(埋葬)許可の申請も行います
- もっとも、この2つは葬儀社が代行するのが通例です。遺族が自分で役所に出向く場面はほとんどありません
【10日〜14日以内】年金・保険・世帯主の届け出

役所と年金事務所まわりの手続きが集中するのがこの期間です。死亡届と同じ役所で済むものが多いので、一度の来庁でまとめて済ませるのが基本です。
- 年金の受給停止(受給権者死亡届):厚生年金は10日以内、国民年金は14日以内。故人のマイナンバーが日本年金機構に収録されていれば死亡届は原則不要です。停止が間に合わず死亡後の分が振り込まれた場合、その分は返還が必要になります
- 世帯主変更届(14日以内):亡くなった親が世帯主で、残る世帯員が2人以上いる場合
- 健康保険の資格喪失:国民健康保険・後期高齢者医療は14日以内に保険証を返却。在職中で勤務先の健康保険だった場合は勤務先経由で手続きします
- 介護保険の資格喪失届(14日以内):介護保険証も返却します
【3か月以内】相続放棄するかどうかの判断
最初の大きな分かれ道です。相続放棄・限定承認は「自己のために相続の開始があったことを知った時から3か月以内」に家庭裁判所へ申し立てる必要があります。つまりこの3か月の間に、遺言書の有無・相続人の確定・財産と借金の全体像をざっくり把握しておく必要があります。
- 借金の有無が不安なときは、督促状やローン明細が届いていないか故人宛の郵便物を確認し、通帳の入出金もチェックします
- 自筆の遺言書はその場で開封してはいけません。家庭裁判所の検認を経る必要があります(法務局の自筆証書遺言書保管制度を使っていた場合、検認は不要です)
- 相続放棄をしない場合でも、財産の一覧づくりは相続税や相続登記の準備としていずれ必要になります。この時期に着手しておくと後が楽です
【4か月以内】準確定申告
- 準確定申告が必要になる典型例は、故人に事業所得や不動産収入があったケースです。相続人が故人に代わって、相続の開始を知った日の翌日から4か月以内に申告・納税します
- 一方、収入が年金のみだったなど申告不要のことも多いため、そもそも該当するかどうかを最初に税務署か税理士へ確認するのが効率的です
- 医療費が多くかかった年は、申告義務がなくても申告することで還付を受けられる場合があります
【10か月以内】相続税の申告・納付
- 相続税の申告と納税は、相続の開始を知った日の翌日から10か月以内です
- 基礎控除(3,000万円+600万円×法定相続人の数)以下なら申告不要のケースもあります
- ただし小規模宅地等の特例などを使って税額がゼロになる場合は、申告自体は必要なことがあります。財産が基礎控除前後にありそうなら税理士への相談が確実です
【3年以内】相続登記(2024年から義務化)
2024年4月から、相続した不動産の登記は義務になりました。期限は取得を知った日から3年で、正当な理由なく怠ると10万円以下の過料が科されることがあります。注意したいのは、実家の処分方針が固まっていなくても登記義務は止まらない点です。売却・居住・賃貸のどれにするか未定のまま、登記だけを先行させることは可能です。
【期限はないが時効がある】請求しないともらえないお金

ここまでは「出す・納める」手続きでしたが、遺族が請求しないと受け取れないお金もあります。それぞれ時効があります。
| お金 | 内容 | 時効 |
|---|---|---|
| 葬祭費 | 国民健康保険・後期高齢者医療から。自治体により数万円(例:東京23区は一律7万円) | 葬儀を行った日の翌日から2年 |
| 埋葬料 | 会社の健康保険(協会けんぽ等)から埋葬を行った家族に5万円 | 死亡日の翌日から2年 |
| 高額療養費 | 亡くなる前の医療費が高額だった場合の払い戻し。相続人が請求可 | 診療月の翌月1日から2年 |
| 未支給年金 | 亡くなった月の分までの年金のうち、受け取れていない分 | 5年 |
| 遺族年金 | 要件を満たす遺族が受給 | 5年 |
| 死亡保険金 | 生命保険。保険法上の請求期限は3年(かんぽ生命は5年) | 3年 |
銀行口座は「凍結される前提」で段取りする
- 口座凍結のきっかけは死亡届ではありません。役所から金融機関への通知は行われず、家族からの申し出などで金融機関が死亡の事実を把握した時点で凍結されます
- 凍結後は、遺産分割協議がまとまるまで原則として出金できません
- 葬儀費用など急ぎの支払いには、遺産分割前の仮払い制度が利用できます。上限は1金融機関につき150万円、かつ預貯金額×3分の1×法定相続分です
- 引き出した現金の扱いには注意が必要です。自分のために費消すると法定単純承認とみなされ、相続放棄の権利を失うおそれがあります。故人のための支出でも、領収書は必ず保管してください
【期限は緩いが放置すると困る】契約の解約・返納
故人名義の契約は、口座が凍結されると引き落としが止まり、未納や延滞金の原因になります。優先度順に挙げます。
- 電気・ガス・水道:世帯が残る場合や空き家として管理を続ける場合は名義変更、誰も使わないなら解約します
- 携帯電話:ショップ窓口か郵送で解約手続きをします。死亡を理由とする解約では、違約金がかからない運用が各社とも一般的です
- クレジットカード:解約を忘れると年会費の請求が続きます。サブスクの決済に使われていることも多いので、解約前に利用明細を一度確認しましょう
- 運転免許証:死亡と同時に免許は効力を失いますが、道路交通法上、免許証自体は警察署か運転免許センターに返納することとされています
- パスポート:名義人の死亡により失効します。手続きの窓口はパスポートセンターです。形見として残したい場合は、無効化の処理をしたうえで返してもらうことができます
期限のない3つの大きなテーマ:相続・実家・お墓

役所まわりが落ち着いたら、腰を据えて向き合う課題が3つ残ります。1つめは相続、すなわち遺産分割協議です。協議自体に法定の期限はないものの、相続税の申告(10か月)と相続登記(3年)の入口にあたるため、事実上は放置できません。2つめは実家です。住み手を失った家を片づけるのか、売るのか、壊すのか——どの選択をとるにしても相続登記が前提になります。
3つめがお墓です。遠方で管理できない、継ぐ人がいない、といった事情から「墓じまい」を選ぶ家庭が増えています。離檀料の相場、改葬許可申請の手順、費用の内訳といった論点は、当サイトの各記事で出典つきで整理しています。
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よくある質問
Q.親が死んだら、まず最初の1週間で何をすればいいですか?
A.病院で死亡診断書を受け取り、死亡を知った日から7日以内に死亡届を市区町村役場へ提出します(火葬許可の申請も同時)。この2つは葬儀社が代行するのが通例です。遺族が自分でやっておくべきことは、死亡診断書のコピーを複数枚とっておくことと、葬儀後すぐに来る役所手続き(年金の受給停止・保険証の返却・世帯主変更=10〜14日以内)に備えることです。
Q.死亡届を出すと銀行口座はすぐ凍結されますか?
A.いいえ。役所に死亡届を出しても金融機関に自動で連絡はいきません。凍結が始まるのは、相続手続きのために遺族が銀行へ連絡するなど、金融機関側が死亡を把握した時点が典型です。凍結後も、遺産分割前の仮払い制度(1金融機関あたり上限150万円、かつ預貯金額×3分の1×法定相続分まで)で当面の資金を引き出せます。
Q.相続放棄の3か月はいつから数えますか?
A.民法上は「自己のために相続の開始があったことを知った時」から3か月です。同居の家族なら実質的に亡くなった日からですが、疎遠で死亡を後から知った場合は知った時から数えます。期限内に判断が難しい場合は、家庭裁判所に期間伸長を申し立てる方法もあるため、早めに専門家へ相談してください。
Q.手続きをしないと損をするお金にはどんなものがありますか?
A.葬祭費(自治体により数万円・2年で時効)、埋葬料(会社の健康保険から5万円・2年)、高額療養費の払い戻し(2年)、未支給年金・遺族年金(5年)、生命保険の死亡保険金(保険法上3年)などは、遺族が請求しないと受け取れません。加入保険が不明な場合は生命保険協会の「生命保険契約照会制度」で一括照会できます。
Q.相続登記をしないとどうなりますか?
A.2024年4月から相続登記は義務化されており、不動産の取得を知った日から3年以内に登記しないと、正当な理由がない場合10万円以下の過料の対象になります。実家の処分方針が決まっていなくても、登記だけ先に済ませることができます。
まとめ:期限のあるものから、一つずつ
すべてを同時にこなす必要はありません。優先すべきは期限つきの手続き(7日→14日→3か月→4か月→10か月→3年)だけです。それ以外は時効の年限に気をつけながら、一つずつ片づけていけば間に合います。手が止まったら、冒頭の期限順カレンダーに戻って現在地を確かめてください。
出典・参考
- 法務省「相続登記の申請義務化について」(2026年確認)
- 裁判所「相続の放棄の申述」(2026年確認)
- 国税庁 タックスアンサーNo.2022「納税者が死亡したときの確定申告(準確定申告)」(2026年確認)
- 国税庁 タックスアンサーNo.4205「相続税の申告と納税」(2026年確認)
- 日本年金機構「年金受給者が亡くなりました。何か手続きは必要ですか。」(2026年確認)
- 日本年金機構「年金の時効」(2026年確認)
- 全国健康保険協会(協会けんぽ)「埋葬料・埋葬費」(2026年確認)
- 大阪市「葬祭費の支給」(2026年確認)
- 新宿区「葬祭費(0歳~74歳)」(2026年確認)※東京23区の支給額7万円の例
- 裁判所「相続の承認又は放棄の期間の伸長」(2026年確認)
- かんぽ生命 よくあるご質問「保険金等のご請求の期限」(2026年確認)※事業者サイト
- 生命保険協会「生命保険契約照会制度」(2026年確認)
- 警視庁「亡くなられた方の運転免許証について」(2026年確認)
本記事は一般的な情報提供を目的としたものであり、個別の法的助言ではありません。法的判断が必要な場合は行政書士・弁護士等の専門家にご相談ください。 記載の費用・相場は出典元の公開情報に基づく目安であり、実際の金額は寺院・霊園・業者により異なります。