介護施設の費用はいくら?入居者家族110人に聞いた月額と想定外の出費
更新日:2026-07-29|読了目安:約12分|運営:サトコト合同会社

通常月の自己負担は、公的施設(特養・老健)では87%が15万円未満、民間施設(介護付・住宅型・サービス付き高齢者向け住宅)では71%が15万円以上——。親ケアナビ編集部は2026年7月、過去5年以内に親または配偶者の親を介護施設・老人ホームに入居させた110人にアンケートを実施しました。さらに、通院や入院が重ならないふつうの月に、基本料金とは別でかかった追加費用は、公的施設の72%が月1万円未満、民間施設の67%が月1万円以上と、ほぼ反転していました。民間施設は基本料金が高いだけでなく、基本料金の外側も厚い。この記事は「介護施設の相場」ではなく、経験者110人が実際に支払った金額の分布としてお読みください。
よく参照される数字としては、生命保険文化センター(生命保険業界が運営する公益財団法人)の2024年度調査があり、施設で介護した場合の月々の費用は平均13.8万円(在宅は5.3万円、全体では9.0万円)と報告されています。これは公的統計ではなく、介護経験者への民間調査です。ただしこの平均は施設の種類を分けていません。実際には、同じ「介護施設」でも公的施設と民間施設で費用の分布が違い、さらに基本料金に含まれない支出が毎月いくら乗るのかは、公表統計からはほとんど読み取れません。本調査はその部分を埋めることを目的に実施しました。
なお、要介護(要支援)認定を受けている人は令和6年3月末時点で708万人(厚生労働省)です。このうちどれだけが施設に入るかは別の統計になりますが、施設の費用を考える段階に立つ家庭は増えています。
調査概要
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 調査主体 | 親ケアナビ編集部 |
| 調査方法 | インターネット調査(クラウドソーシング利用) |
| 調査対象 | 過去5年以内に、親または配偶者の親を介護施設・老人ホームに入居させ、毎月の請求額をおおよそ把握していた人 |
| 有効回答数 | 110人(提出120件から、条件に合わない回答・矛盾のある回答など10件を除外) |
| 施設所在地 | 35都道府県 |
| 調査時期 | 2026年7月 |
| 設問数 | 19問(うち自由記述3問) |
回答者の内訳は次のとおりです。
- 立場:「家族が担当したが、毎月の請求額をおおよそ把握していた」55%/「本人が主に手続き・費用を担当した」45%
- 入居時期:2021年以降。うち2023年以降の入居が73%
- 入居時の要介護度:要介護1〜2が35%、要介護3が35%、要介護4〜5が15%、要支援1〜2が10%、自立が5%
- 施設の所在地:三大都市圏53%、それ以外47%
| 施設の種類 | 回答数 | 割合 |
|---|---|---|
| 特別養護老人ホーム(特養) | 39人 | 35% |
| 介護付き有料老人ホーム | 35人 | 32% |
| サービス付き高齢者向け住宅 | 9人 | 8% |
| グループホーム | 9人 | 8% |
| 住宅型有料老人ホーム | 8人 | 7% |
| 老人保健施設(老健) | 8人 | 7% |
| その他・わからない | 2人 | 2% |
費用の集計は、この施設種別を3つのグループにまとめて行いました。
- 公的施設(特養・老健):47人(43%)
- 民間施設(介護付・住宅型・サービス付き高齢者向け住宅):52人(47%)
- グループホーム:9人(分母が小さいため、費用の表では割合を算出していません)
- 「その他・わからない」:2人(どのグループにも入れていないため、以降の費用の表は合計108人になります)
以降の費用の表は、全体をひとまとめにせず、このグループごとの分布として示します。施設の種類によって費用の構造そのものが違うため、全体を1本にまとめた「最多◯万円」という数字は、回答者の施設構成比を映しているだけで相場にならないからです。
なお、公的施設として1つにまとめた47人には、特別養護老人ホーム39人と老人保健施設(老健)8人が含まれます。老健は、介護保険法上「心身の機能の維持回復を図り、居宅における生活を営むことができるようにするための支援」を行う施設と定義され、厚生労働省の資料でも「在宅復帰、在宅療養支援のための地域拠点となる施設」と位置づけられています。長く住まうことを前提とした施設ではないため、費用が近いという理由で特養と同じものとして検討しないほうが安全です。
基本料金の「外側」が反転する。追加費用は公的の72%が月1万円未満、民間の67%が月1万円以上
この調査でもっとも差が出たのは、月額の基本料金ではなく、基本料金とは別にかかる追加費用でした。ふつうの1ヶ月に、基本料金とは別でいくら払ったかを聞いた結果が次の表です。
| 追加費用(月) | 公的施設 n=47 | 民間施設 n=52 | グループホーム n=9 |
|---|---|---|---|
| ほぼ0円 | 1人(2%) | 1人(2%) | 0人 |
| 5千円未満 | 16人(34%) | 3人(6%) | 1人 |
| 5千円以上1万円未満 | 17人(36%) | 11人(21%) | 5人 |
| 1万円以上2万円未満 | 5人(11%) | 19人(37%) | 3人 |
| 2万円以上3万円未満 | 7人(15%) | 11人(21%) | 0人 |
| 3万円以上5万円未満 | 0人 | 3人(6%) | 0人 |
| 5万円以上 | 0人 | 2人(4%) | 0人 |
| わからない | 1人(2%) | 2人(4%) | 0人 |

公的施設では72%が月1万円未満に収まっているのに対し、民間施設では67%が月1万円以上。月2万円以上に限っても、公的施設の15%に対し民間施設は31%です。民間施設は基本料金が高いだけでなく、基本料金の外側も厚く、二重に効いています。この差は、施設種別ごとの費用を平均額で示す公的な統計からは読み取れない部分です。
同じ「介護施設」でも月額の山が1段ずれる。公的は87%が15万円未満、民間は71%が15万円以上
施設への支払いと施設外の医療費等を合わせた、通常月の自己負担の合計を聞いた結果です(入居一時金と、介護保険から給付される分は含みません)。
| 自己負担(月) | 公的施設 n=47 | 民間施設 n=52 | グループホーム n=9 |
|---|---|---|---|
| 10万円未満 | 18人(38%) | 6人(12%) | 3人 |
| 10万円以上15万円未満 | 23人(49%) | 9人(17%) | 5人 |
| 15万円以上20万円未満 | 3人(6%) | 19人(37%) | 1人 |
| 20万円以上25万円未満 | 1人(2%) | 12人(23%) | 0人 |
| 25万円以上30万円未満 | 1人(2%) | 5人(10%) | 0人 |
| 30万円以上 | 1人(2%) | 1人(2%) | 0人 |

公的施設は87%が15万円未満、民間施設は71%が15万円以上。分布の山が、ちょうど1段ずれています。
この差の土台にあるのが、家賃・管理費・食費・介護費を合わせた基本料金そのものの分布です。
| 基本料金(月) | 公的施設 n=47 | 民間施設 n=52 | グループホーム n=9 |
|---|---|---|---|
| 8万円未満 | 13人(28%) | 4人(8%) | 2人 |
| 8万円以上12万円未満 | 20人(43%) | 11人(21%) | 6人 |
| 12万円以上16万円未満 | 9人(19%) | 15人(29%) | 1人 |
| 16万円以上20万円未満 | 3人(6%) | 14人(27%) | 0人 |
| 20万円以上25万円未満 | 1人(2%) | 5人(10%) | 0人 |
| 25万円以上 | 0人 | 1人(2%) | 0人 |
| 内訳はわからない | 1人(2%) | 2人(4%) | 0人 |
75%が、基本料金の外側の費用を請求書で初めて知っている
基本料金に含まれていると思っていたのに、別に請求された費用を複数選択で聞きました。この設問は「思い込みが起きやすい項目」を測るもので、金額の大きさの順位でも、発生頻度の順位でもありません。
| 項目 | 回答数 | 割合 |
|---|---|---|
| オムツ等消耗品 | 45人 | 41% |
| 医療費・通院 | 27人 | 25% |
| (参考)すべて想定どおりだった | 27人 | 25% |
| 理美容 | 26人 | 24% |
| レクリエーション・行事 | 26人 | 24% |
| 衣類・日用品の補充 | 25人 | 23% |
| 薬代 | 24人 | 22% |
| お小遣い・嗜好品 | 7人 | 6% |
| 救急搬送・入院時の費用 | 3人 | 3% |
| その他 | 2人 | 2% |

自由記述からは、金額そのものより「施設が指定する品しか使えない」「持ち込みに料金がかかる」という課金の設計が支出を押し上げている様子が読み取れます。
- 施設指定のオムツ・パッド以外は持ち込み不可で、月2万5千円(介護付き有料老人ホーム)
- オムツの持ち込みに処分費・持ち込み料が月5千円上乗せ。理美容は1回4千円(介護付き有料老人ホーム)
- オムツは指定業者からの購入のみで持ち込み禁止、月1万5千円ほど。市販品より高額(介護付き有料老人ホーム)
- 住宅型で、ポットの湯の入れ替えやゴミ箱の確認も30分880円の有料サービス(住宅型有料老人ホーム)
- 通院の付き添いが30分ごとに別料金。重なった月は付き添いだけで1万5千円(介護付き有料老人ホーム)
- サービス付き高齢者向け住宅は「賃貸マンションみたいなもの」で、トイレットペーパーから洗剤まで実費。日用品だけで月1万円(サービス付き高齢者向け住宅)
- 月1回の外出レクリエーション参加費1,500円。施設内のイベントは無料だと思っていた(グループホーム)
いずれも、入居後の請求書ではじめて具体的な金額が分かったという声です。本調査では、これらが入居前に説明されていたかどうかは聞いていません。見学や契約前の説明の場で「基本料金に含まれないものの一覧」を品目で出してもらえるかどうかを、確認の一手として挙げておきます。
入居前の想定との差は、ほぼ半々。想定どおり44%・高かった47%
| 回答 | 回答数 | 割合 |
|---|---|---|
| ほぼ想定どおり | 48人 | 44% |
| 想定より少し高かった(月5万円未満の差) | 42人 | 38% |
| 想定よりかなり高かった(月5万円以上の差) | 10人 | 9% |
| 想定より安かった | 6人 | 5% |
| 入居前に具体的な想定額は持っていなかった | 4人 | 4% |
想定どおりだった人が44%、想定より高かった人が47%で、ほぼ半々です。ただし「高かった」の内訳を見ると、その大半(38%)は月5万円未満の差で、月5万円以上ずれた人は9%にとどまります。
グループ別に見ても「想定より高かった」は公的施設45%・民間施設50%とほとんど変わらず、民間施設のほうが想定を裏切る、という結果にはなっていません。想定額そのものが施設の種類に応じて高く設定されているためと考えられます。
月々の費用は、59%が親の年金・貯蓄で足りている
| 回答 | 回答数 | 割合 |
|---|---|---|
| 親本人の年金・貯蓄で足りた | 65人 | 59% |
| 親の資産+子が一部補填 | 35人 | 32% |
| 主に子(自分・兄弟)が負担 | 9人 | 8% |
| その他 | 1人 | 1% |
費用の話でいちばん不安が集まるのは、子世代が払うことになるかどうかです。本調査では、親本人の年金・貯蓄で足りたという回答が59%で最多でした。子・親族が月々いくら補填したかを聞いた結果が次の表です。
| 補填額(月) | 割合 |
|---|---|
| 補填していない | 55% |
| 1万円未満 | 6% |
| 1万円以上3万円未満 | 24% |
| 3万円以上5万円未満 | 8% |
| 5万円以上10万円未満 | 4% |
| 10万円以上 | 2% |
| 補填したが金額はわからない | 2% |
補填が発生した場合は、月1万〜3万円の帯がもっとも多くなっています。
本調査の金額は「介護保険が給付したあとの自己負担」です
ここまでの金額は、介護保険から給付された分を除いた自己負担です。介護サービスを利用したときの利用者負担は費用の1割で、一定以上の所得がある人は2割または3割になります(厚生労働省「介護サービス情報公表システム」)。同じ施設・同じ要介護度でも自己負担が変わるのは、この所得区分が効くためです。
また、月々の利用者負担額の合計が所得に応じた上限額を超えた場合に、超えた分が介護保険から支給される「高額介護サービス費」という仕組みがあります。ただし同システムの説明では、福祉用具購入費や食費・居住費等の一部はこの制度の対象から除かれています。つまり、この記事で見てきた「基本料金の外側」に当たる支出は、上限では戻ってきません。
85%が6ヶ月以内に決めている。比較する時間がない状態で決まる
| 項目 | 回答 | 回答数 | 割合 |
|---|---|---|---|
| 期間 | 1ヶ月未満 | 9人 | 8% |
| 期間 | 1〜3ヶ月 | 51人 | 46% |
| 期間 | 3〜6ヶ月 | 34人 | 31% |
| 期間 | 6ヶ月〜1年 | 9人 | 8% |
| 期間 | 1年以上 | 7人 | 6% |
| 施設数 | 1つだけ | 14人 | 13% |
| 施設数 | 2〜3ヶ所 | 82人 | 75% |
| 施設数 | 4ヶ所以上 | 14人 | 13% |

85%が6ヶ月以内に入居先を決めており、75%が2〜3ヶ所しか見ていません。1ヶ所だけで決めた人も13%います。これは検討が足りなかったという話ではなく、病院の退院期限や特養の空き待ちといった外部の事情が期間を決めていると考えるほうが自然です。
実際、施設探しの情報源は次のとおりでした。
| 情報源 | 割合 |
|---|---|
| ケアマネジャー | 62% |
| ネット検索 | 44% |
| 病院・ソーシャルワーカー | 27% |
| 地域包括支援センター | 26% |
| 知人・家族 | 25% |
| 紹介サイト・紹介会社 | 17% |
医療・介護の現場から示された選択肢の中で決めている人が多数派です。
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- 埼玉に住んでいるが近隣に空きがなく、病院の紹介で群馬の施設に入居した。何かあってもすぐに行けない
- 見学では日中の雰囲気だけでなく、夕方や夜間のスタッフの人数や対応体制をもっと詳しく確認しておけばよかった
- 家族間で連絡窓口を決めておくべきだった。服の買い足しや受診同行の判断がすべて自分に集中して参った
- 費用と設備の綺麗さで決めて車で40分の施設にした。近さを優先すべきだった
- 要介護度が下がる(要介護2から要支援へ)と入居を継続できるのか、事前に確認すべきだった
- 面会がガラス越しの個室で「刑務所みたい」だった。感染対策の運用まで見ておくべきだった
ここに挙がっているのは、決めたあとに気づいたことです。前の項目で見たとおり、多くの人は退院の期限や空き状況の中で、示された選択肢から決めています。同じ条件で選び直せたとは限りません。これから探す人にとっての手がかりとして読んでください。
調査から見えた、入居前に確認しておきたい3つのこと
1. 基本料金に含まれないものを、品目のリストで出してもらう
本調査では75%が、基本料金の外にある何らかの費用を請求書で初めて知っています。金額の大小より、オムツを持ち込めるのか、持ち込みに料金がかかるのか、通院の付き添いは別料金かといった「課金の設計」を先に把握できるかどうかが差になります。見学時に、月額表とは別に「基本料金に含まれないものの一覧」を求めるのが具体的な一手です。
2. 費用の比較は、施設の種類をそろえてから行う
公的施設と民間施設では、通常月の自己負担も追加費用も分布がまるごとずれます。ただし公的施設(特養)は原則として要介護3以上が対象で、待機もあるため、そもそも選べないことがあります。「安いほうを選ぶ」ではなく、入居できる可能性がある施設の中で比較するのが現実的です。
3. 必要になる前に、一度だけでも見学しておく
85%が6ヶ月以内に決め、75%が2〜3ヶ所しか見ていません。多くは病院の退院期限などの事情が先にあり、その場で比較する時間はありません。親がまだ元気なうちに、通える範囲の施設を1〜2ヶ所だけでも見て、費用表を受け取っておくと、必要になったときの判断材料が手元に残ります。
親が元気なうちに確認しておく項目の一覧は、関連記事「親が元気なうちに確認しておくこと」をご利用ください。
本調査データの引用について
本調査の数値・表・グラフ画像は、出典として「親ケアナビ『介護施設の費用アンケート』(2026年7月実施・n=110)」と明記し、本ページへのリンクを設置いただければ、報道・ブログ・SNS等で自由に引用・転載いただけます。事前連絡・許諾申請は不要です。グラフ画像はダウンロードして自社サーバーに置いていただいてかまいません。ただし公的施設と民間施設の費用を対比する数値・図表を引用される場合は、「公的施設(特養)は原則として要介護3以上が対象で、入居までに待機期間がある」ことを必ず併記してください。この対比は、施設を自由に選べる前提の比較ではありません。
- 費用の表を引用する際は、分母をあわせてご記載ください。通常月の自己負担・追加費用・基本料金は、公的施設47人/民間施設52人/グループホーム9人がそれぞれの分母です。全110人を分母にした割合ではありません。
- グループホームは回答が9人のため、割合を算出していません。実数のままご引用ください。
- 想定との差・費用の負担者・期間・検討した施設数・情報源・「基本料金に含まれていると思っていた」費用は、全回答者110人が分母です。
- 本調査は金額レンジの自己申告に基づくもので、平均額の算出や有意差検定には適していません。「分布」「最多回答層」としてご引用ください。全体をひとまとめにした月額の代表値は算出していません。
- 取材・追加集計のご依頼、設問別の内訳データのご要望は、運営会社お問い合わせ窓口(info@satocoto.com)までご連絡ください。
報道関係者向け:図表データ(PNG・1600×900)
よくある質問
Q.結局、介護施設の費用は毎月いくら見ておけばいいですか?
A.施設の種類によって分布がまるごと違うため、ひとつの金額では答えられません。本調査(n=110)では、通常月の自己負担は公的施設(特養・老健)の87%が15万円未満、民間施設(介護付・住宅型・サービス付き高齢者向け住宅)の71%が15万円以上でした。よく参照される数字としては、生命保険文化センター(生命保険業界が運営する公益財団法人による民間調査)の2024年度調査で、施設介護の月々の費用は平均13.8万円と報告されています。入居を検討している施設の種類を先に決め、その種類の分布で見るのが実際的です。なお、公的施設(特養)は原則として要介護3以上が対象で待機もあるため、この差は「安いほうを選べる」という意味ではありません。入居できる可能性がある種類の中で、その種類の分布を見てください。
Q.基本料金のほかに、毎月いくらくらい上乗せされますか?
A.本調査では、通院や入院が重ならないふつうの月で、公的施設の72%が月1万円未満、民間施設の67%が月1万円以上でした。金額を押し上げるのは、施設が指定する品しか使えない、持ち込みに料金がかかる、通院の付き添いが別料金といった課金の設計です。なお本調査で「基本料金に含まれると思っていた」項目として最も多く挙がったのはオムツ等の消耗品(41%)ですが、これは思い込みの起きやすさであって、金額の順位ではありません。見学時に「基本料金に含まれないものの一覧」を品目で確認しておくと、請求書を受け取る前に差が読めます。
Q.公的施設のほうが安いなら、そちらを選べばいいのではないですか?
A.選べるとは限りません。特別養護老人ホームは、介護保険法の改正により平成27年4月1日以降、入所が原則として要介護3以上の方に限定されています(要介護1・2の方の特例入所の扱いは別にあり、運用は厚生労働省の入所指針が示しています)。また要介護3以上の入所申込者は2025年4月1日時点で全国20.6万人おり、待機期間が発生します。なお公的施設にはもう一つ老人保健施設(老健)がありますが、こちらは在宅復帰を支援する施設で、長く住まうことを前提とした施設ではありません。費用の差は「安いほうを選べる」という意味ではなく、入居できる施設の種類によって家計への影響が変わる、と読むのが実際に近い理解です。
Q.この調査結果はどの程度信頼できますか?
A.過去5年以内に親または配偶者の親を介護施設に入居させ、毎月の請求額を把握していた110人(施設所在地35都道府県)へのインターネット調査です。提出された120件のうち、条件に合わない回答や矛盾のある回答は集計から除いています。ただし金額は自己申告のレンジ選択で、請求書等による裏付けはありません。回答者はネット利用層に偏り、施設種別の構成比が全国の実勢と一致する保証もないため、「相場」ではなく「110人が支払った実額の分布」としてお読みください。
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出典・参考
- 親ケアナビ「介護施設の費用アンケート」(本調査)(2026年7月実施)※当サイトによる独自調査(n=110・インターネット調査・施設所在地35都道府県)
- 生命保険文化センター「2024年度 生命保険に関する全国実態調査」(介護費用の解説ページ)(2024年度・2026年7月確認)※月々の介護費用の平均9.0万円(在宅5.3万円・施設13.8万円)/介護期間の平均55.0ヶ月
- 厚生労働省「指定介護老人福祉施設等の入所に関する指針について」(平成26年12月12日 老高発1212第1号)(平成26年12月12日発出/平成27年4月1日適用・2026年7月確認)※介護保険法の改正により、特養の入所は原則として要介護3以上(要介護1・2は特例入所)。本通知はその運用指針
- 厚生労働省「特別養護老人ホームの入所申込者の状況(令和7年度)」(2025年4月1日時点・2025年12月25日公表)※要介護3以上の入所申込者20.6万人(うち在宅8.6万人)
- 厚生労働省「令和5年度 介護保険事業状況報告(年報)のポイント」(令和6年3月末時点・2026年7月確認)※要介護(要支援)認定者数708万人
- 厚生労働省「介護サービス情報公表システム」サービスにかかる利用料(2026年7月確認)※利用者負担は1割(一定以上所得者は2割または3割)/高額介護サービス費は福祉用具購入費や食費・居住費等一部を除く
- 厚生労働省 社会保障審議会介護給付費分科会(第221回)資料2「介護老人保健施設」(令和5年8月7日・2026年7月確認)※老健の定義(介護保険法第8条第28項)と「在宅復帰、在宅療養支援のための地域拠点となる施設」の位置づけ
本記事は一般的な情報提供を目的としたものであり、個別の法的助言・税務相談ではありません。個別の判断が必要な場合は税理士・行政書士・弁護士等の専門家にご相談ください。 記載の費用・相場は調査結果および公表データに基づく目安であり、実際の金額は施設の種類・所在地・要介護度・所得区分により異なります。