介護施設の種類は7つ|入居できる条件と制度上の位置づけを一覧で整理
更新日:2026-07-30|読了目安:約11分|運営:サトコト合同会社

介護施設を探し始めると、特養・老健・介護医療院・介護付有料老人ホーム・住宅型有料老人ホーム・サービス付き高齢者向け住宅・グループホームという7つの名前が出てきます。この7つを分けているのは、建物の広さや設備ではなく、どの法律に位置づけられた施設かと、誰が入れるかです。この記事は、厚生労働省と国土交通省の資料をもとに、7種類それぞれの位置づけと入居条件を一覧にしました。
この記事の要点
- 7つを分けているのは根拠となる法律と入居条件です。費用より先に条件を見ます
- 特養は原則要介護3以上、老健は要介護1〜5、グループホームは認知症のある人が対象です
- 「介護付」を名乗れるのは特定施設入居者生活介護の指定を受けたホームだけです
先に結論を書くと、最初に見るのは費用ではなく入居条件です。特別養護老人ホームは原則として要介護3以上、グループホームは認知症のある人が対象で、老人保健施設は在宅復帰を目指す人の施設です。ここで候補から外れる施設が先に決まり、そのあとで残った選択肢の中で費用と場所を比べることになります。
入居条件は要介護度が前提になっています。まだ要介護認定を受けていない段階の方は、先に申請の流れを確認してください。要介護認定の流れは?申請から施設入居までの順番と期間を整理をご利用ください。
7種類は、制度上の位置づけと入居条件で整理できます
| 施設の種類 | 制度上の位置づけ | 利用できる人・入居条件 |
|---|---|---|
| 特別養護老人ホーム(特養/介護老人福祉施設) | 介護保険法と老人福祉法に位置づけられた施設。厚生労働省の資料では、老健・介護医療院とあわせて「介護保険施設」と呼ばれています | 平成27年4月から、新規入所は原則として要介護3以上。要介護1・2の人は、やむを得ない事由がある場合に特例入所の対象になります |
| 介護老人保健施設(老健) | 介護保険法に位置づけられた介護保険施設。心身の機能の維持回復を図り、居宅における生活を営むことができるようにするための支援が必要な人が対象です | 要介護1〜5。要支援1・2の人は利用できません。在宅復帰を目指している人の入所を受け入れる施設です |
| 介護医療院 | 介護保険法に位置づけられた介護保険施設。平成30年4月に創設され、日常的な医学管理や看取り・ターミナルケア等の医療機能と、生活施設としての機能を兼ね備えています | 主として長期にわたり療養が必要である人(介護保険法上の定義) |
| 介護付有料老人ホーム | 老人福祉法上の有料老人ホームのうち、介護保険法の特定施設入居者生活介護の指定を受けたもの。介護サービスはホームの職員が提供します | 入居条件はホームごとに定められているため、個別の確認が必要です |
| 住宅型有料老人ホーム | 老人福祉法上の有料老人ホームで、生活支援等のサービスが付いた高齢者向けの居住施設。介護が必要になった場合は、入居者自身の選択により地域の訪問介護等を利用します | 入居条件はホームごとに定められているため、個別の確認が必要です |
| サービス付き高齢者向け住宅(サ高住) | 高齢者住まい法に基づく登録制度。都道府県等が登録を実施します | 60歳以上の者 又は要支援・要介護認定者 等(国土交通省の登録制度の説明による) |
| グループホーム(認知症対応型共同生活介護) | 介護保険法上の地域密着型サービス。指定と指導監督の権限は、保険者である市町村が持っています | 要介護者であって認知症である人(原因疾患が急性の状態にある人を除く)。要支援2および要介護1〜5が利用でき、要支援1の人は利用できません。原則としてその市町村の被保険者が対象です |
なお、有料老人ホーム(介護付・住宅型)については、本記事が参照した厚生労働省の資料に、要介護度による一律の入居要件は示されていません。入居できるかどうかは各ホームの定めによります。
特養・老健・介護医療院は、介護保険法に位置づけられた施設です
特別養護老人ホーム・介護老人保健施設・介護医療院の3つは、いずれも介護保険法に位置づけられた施設で、厚生労働省の資料ではまとめて「介護保険施設」と呼ばれています。3つの違いは、入居できる要介護度と、その施設が何をする場所として設計されているかにあります。
特別養護老人ホーム(特養):原則として要介護3以上
特別養護老人ホームは、介護保険法上は介護老人福祉施設と呼ばれ、老人福祉法にも位置づけられています。平成27年4月から、介護保険法および同法施行規則の改正により、新規に入所できるのは原則として要介護3以上の人に限定されました。要介護1・2の段階では、原則としては対象になりません。
要介護1・2でも申し込める「特例入所」の4つの事由
ただし、要介護1・2の人が一律に締め出されているわけではありません。厚生労働省の入所指針は、「居宅において日常生活を営むことが困難なことについて、やむを得ない事由がある」場合を特例入所の対象としており、その事由として次の4つを挙げています。
- 認知症であり、日常生活に支障を来すような症状・行動や意思疎通の困難さが頻繁に見られること
- 知的障害・精神障害等を伴い、日常生活に支障を来すような症状・行動や意思疎通の困難さが頻繁に見られること
- 家族等による深刻な虐待が疑われること等により、心身の安全・安心の確保が困難であること
- 単身世帯である、同居している家族が高齢または病弱である等により家族等による支援が期待できず、かつ地域の介護サービスや生活支援の供給が不十分であること
該当するかどうかを判断するのは施設です。施設が入所検討委員会の合議で判断し、その結果を保険者である市町村に報告して、適宜意見を求める仕組みになっています。
指針はもうひとつ定めています。申込者が要件に該当すると申し立てた場合に、施設が申込みそのものを受け付けないという取扱いは認められません。
介護老人保健施設(老健):在宅復帰を目指す人の施設
介護老人保健施設は、介護保険法上「主としてその心身の機能の維持回復を図り、居宅における生活を営むことができるようにするための支援が必要である者」を対象とする施設と定義されています。
利用できるのは要介護1〜5の認定を受けた人で、要支援1・2の人は利用できません。在宅復帰を目指している人の入所を受け入れる施設であり、長く住み続けることを前提とした場所ではない、という点が特養との大きな違いです。
介護医療院:長期の療養が必要な人の施設
介護医療院は平成30年4月に創設された比較的新しい施設で、介護保険法では「主として長期にわたり療養が必要である者」を対象としています。日常的な医学管理や看取り・ターミナルケア等の医療機能と、生活施設としての機能を兼ね備えた施設として位置づけられています。医療の必要度が高い状態が続く場合の選択肢にあたります。
介護付・住宅型の有料老人ホームは、老人福祉法で定義された施設です
有料老人ホームは老人福祉法で定義されており、老人を入居させ、次の4つのうち少なくとも一つを提供する施設が該当します。
- 入浴、排せつ又は食事の介護
- 食事の提供
- 洗濯、掃除等の家事
- 健康管理
ここで見落とされやすいのは、届出をしているかどうかにかかわらず、この定義に当てはまるものはすべて有料老人ホームとして扱われる、という点です。名称に「有料老人ホーム」と付いていない施設が該当することもあります。
介護付有料老人ホーム:「介護付」を名乗れるのは指定を受けたホームだけ
介護付有料老人ホームは、介護保険法の特定施設入居者生活介護の指定を受けた有料老人ホームです。介護が必要になっても、そのホームが提供する特定施設入居者生活介護を利用して居室での生活を続けられ、介護サービスはそのホームの職員が提供します。
住宅型有料老人ホーム:介護は自分で選んで外から入れる
住宅型有料老人ホームは、生活支援等のサービスが付いた高齢者向けの居住施設です。介護が必要になった場合は、入居者自身の選択によって地域の訪問介護等の介護サービスを利用しながら、居室での生活を続けます。介護サービスの提供者がホームの職員か、外部の事業者かという点が、介護付との構造上の違いです。
サービス付き高齢者向け住宅は、施設ではなく登録された住宅です
サービス付き高齢者向け住宅の登録制度は、高齢者住まい法の改正により創設されました(平成23年4月公布・同年10月施行)。登録を実施するのは都道府県等です。
介護保険法に基づく施設ではなく、住宅施策として整備された枠組みであるという点が、ここまでの施設と大きく異なります。入居者の要件は「60歳以上の者 又は要支援・要介護認定者 等」とされています。
登録の基準は次のとおりです(令和7年度の国土交通省資料による)。
- 床面積は原則25㎡以上
- 構造・設備が一定の基準を満たすこと
- バリアフリー構造であること(廊下幅・段差の解消・手すりの設置)
- 必須のサービスは、状況把握サービスと生活相談サービス
必須とされているのが状況把握と生活相談である点に注意してください。介護そのものは必須のサービスに含まれていません。登録状況は289,013戸・8,323棟(令和6年12月末時点)です。
グループホームは、認知症の人が5〜9人で暮らす市町村の指定サービスです

グループホームは、介護保険法上は認知症対応型共同生活介護と呼ばれます。対象は「要介護者であって認知症であるもの」で、認知症の原因疾患が急性の状態にある人は除かれます。
要支援2および要介護1〜5の認定を受けた人が利用でき、要支援1の人は利用できません。1つの共同生活住居で5〜9人の少人数の利用者が、介護スタッフとともに共同生活を送る形をとります。
もうひとつの特徴は、地域密着型サービスに含まれることです。地域密着型サービスは、原則としてその市町村の被保険者のみが利用できるとされており、指定と指導監督の権限も保険者である市町村が持っています。市町村は、必要整備量を超える場合に指定を拒否することもできます。
費用は「種類」より「公的か民間か」で分布が変わる

種類ごとの費用について、公的な統計から相場を示すことはこの記事ではしません。かわりに、親のあと手帖編集部が2026年7月に実施した独自アンケート(過去5年以内に親または配偶者の親を施設に入居させた110人)の結果を紹介します。この調査では、特養・老健を公的施設(n=47)、介護付・住宅型・サービス付き高齢者向け住宅を民間施設(n=52)としてまとめて集計しています。
通院や入院が重ならないふつうの1ヶ月に、基本料金とは別でかかった追加費用は、公的施設の72%が月1万円未満、民間施設の67%が月1万円以上と、分布がほぼ反転しています。民間施設は基本料金が高いだけでなく、基本料金の外側も厚い、という結果です。通常月の自己負担の分布は費用記事で公開しています。なお特養は原則要介護3以上が対象で、入居までに待機があります。「安いほうを選ぶ」という比較にはなりません。
基本料金そのものの分布、請求書で初めて知った費用の内訳、費用を誰が負担したかまで含めた集計は、同じ調査をもとにした関連記事にまとめています。介護施設の費用はいくら?入居者家族110人に聞いた月額と想定外の出費をご利用ください。
種類が絞れたら、見学で費用の内訳を確認します
入居条件で候補が絞れたら、次は同じ種類の中での比較になります。同じ種類の施設でも、何が基本料金に含まれ、何が別料金かは施設ごとに違います。先ほどの調査では、費用がすべて想定どおりだったと答えた人は25%で、75%が、基本料金の外側の費用に遭っています。
見学のときに何を聞いておけば請求書で驚かずに済んだのかを、同じ110人の回答から逆算して整理しています。介護施設の見学チェックリスト|家族110人が請求書で初めて知った費用をご利用ください。
種類が絞れたら、次は候補をどう集めるかです。専門職に相談する・紹介会社を使う・自分で探すの3つのルートと、紹介会社の手数料の仕組みは別の記事にまとめています。老人ホームの探し方は3つ|紹介会社の手数料は誰が払うのかをご利用ください。
よくある質問
Q.介護施設の種類は、どこから見ていけばいいですか?
A.費用より先に入居条件を見ると、候補が早く絞れます。要介護度で条件がはっきりしているのは、特別養護老人ホーム(平成27年4月から原則として要介護3以上、要介護1・2は特例入所の対象)、介護老人保健施設(要介護1〜5。要支援1・2は利用できない)、グループホーム(要支援2および要介護1〜5。要支援1は利用できない)です。また介護老人保健施設は在宅復帰を目指す人の施設、介護医療院は主として長期にわたり療養が必要な人の施設と、目的が制度上定められています。ここで残った選択肢の中で、費用と通いやすさを比べるのが現実的な順番です。
Q.「介護付き」と書かれているホームと、書かれていないホームは何が違いますか?
A.「介護付」を名乗れるのは、介護保険法の特定施設入居者生活介護の指定を受けた有料老人ホームだけです。指定を受けていないホームは、広告やパンフレット等で「介護付き」「ケア付き」等の表示を行ってはならないと厚生労働省の指針で定められています。指定を受けたホーム(介護付有料老人ホーム)では、介護サービスをそのホームの職員が提供します。一方、住宅型有料老人ホームでは、介護が必要になった場合に入居者自身の選択で地域の訪問介護等を利用します。見学の際は、特定施設入居者生活介護の指定を受けているかを直接たずねるのが確実です。
Q.要介護1でも特別養護老人ホームに申し込めますか?
A.特例入所の対象になる場合があります。厚生労働省の入所指針は、居宅において日常生活を営むことが困難なことについて「やむを得ない事由」に当たる場合に特例入所の対象になるとしています。4つの事由の具体的な中身は特養の記事で整理しています。該当するかどうかは施設が入所検討委員会の合議で判断し、市町村に報告して適宜意見を求めます。なお、申込者が要件に該当すると申し立てた場合に、施設が申込みを受け付けないという取扱いは認められないとされています。
Q.グループホームは、住民票のある市区町村でないと入れませんか?
A.グループホーム(認知症対応型共同生活介護)は地域密着型サービスに含まれ、原則としてその市町村の被保険者が利用できるサービスです。ただし例外があり、他の市町村の指定を受けている場合には当該他市町村の被保険者も利用でき、住所地特例の対象者についても一部のサービスは利用可能とされています。「住民票がないと入れない」と決まっているわけではないため、別の市区町村での入居を考えている場合は、その市町村の介護保険窓口で扱いを確認してください。指定と指導監督の権限は市町村にあり、市町村は必要整備量を超える場合に指定を拒否することもできます。
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出典・参考
- 厚生労働省 社会保障審議会介護給付費分科会(第143回)参考資料2「介護老人福祉施設(参考資料)」(平成29年7月19日・2026年8月確認)※特別養護老人ホームの根拠法(介護保険法・老人福祉法)と、平成27年4月からの新規入所は原則要介護3以上
- 厚生労働省「指定介護老人福祉施設等の入所に関する指針について」(平成26年12月12日 老高発1212第1号)(平成26年12月12日発出/平成27年4月1日適用・2026年8月確認)※要介護1・2の特例入所の4つの事由、入所検討委員会の合議による判断、申込みを受け付けない取扱いは認められないこと
- 厚生労働省「『指定介護老人福祉施設等の入所に関する指針について』の一部改正について」(令和5年4月7日 老高発0407第1号)(令和5年4月7日・2026年8月確認)※上記入所指針の一部改正(特例入所の運用と市町村への報告)
- 厚生労働省 社会保障審議会介護保険部会(第122回)資料4「要介護認定について」(令和7年6月30日・2026年8月確認)※介護保険施設=介護老人福祉施設・介護老人保健施設・介護医療院という総称の用例
- e-Gov法令検索「介護保険法」(現行法・2026年8月確認)※介護老人保健施設・介護医療院・認知症対応型共同生活介護の定義
- 厚生労働省「介護サービス情報公表システム」介護老人保健施設(2026年8月確認)※老健は要介護1〜5が利用可・要支援1・2は利用できない/在宅復帰を目指す人の入所を受け入れる
- 厚生労働省「介護医療院」(平成30年4月創設・2026年8月確認)※介護医療院は医学管理・看取り等の医療機能と生活施設としての機能を兼ね備えた施設
- 厚生労働省「有料老人ホームの設置運営標準指導指針について」(令和6年12月6日最終改正・2026年8月確認)※有料老人ホームの定義(届出の有無にかかわらず該当するものはすべて有料老人ホーム)、特定施設入居者生活介護の位置づけ
- 厚生労働省 別表「有料老人ホームの類型」(令和6年12月6日・2026年8月確認)※介護付・住宅型・健康型の違い、および特定施設入居者生活介護の指定を受けていないホームは「介護付」「ケア付き」等と表示してはならないこと
- 国土交通省「サービス付き高齢者向け住宅の登録制度の概要」(令和7年度資料・2026年8月確認)※高齢者住まい法に基づく登録制度、登録基準(床面積25㎡以上・バリアフリー・状況把握・生活相談)、入居者要件、登録状況289,013戸/8,323棟(令和6年12月末時点)
- 関東信越厚生局「地域密着型サービスの概要」(平成29年3月30日・2026年8月確認)※地域密着型サービスは原則としてその市町村の被保険者のみが利用できる(他市町村の指定・住所地特例の例外あり)。指定・指導監督の権限は市町村。資料は平成29年時点のもの
- 厚生労働省「介護サービス情報公表システム」認知症対応型共同生活介護(2026年8月確認)※グループホームは要支援2および要介護1〜5が利用可・要支援1は利用できない/1つの共同生活住居に5〜9人
- 親のあと手帖「介護施設の費用アンケート」(当サイトの独自調査)(2026年7月実施)※n=110・インターネット調査・施設所在地35都道府県。本記事の費用に関する割合はすべてこの調査による
- 厚生労働省「特別養護老人ホームの入所申込者の状況」(2025年4月1日時点・2025年12月25日公表/2026年8月確認)※特養の入所申込者数の公表資料。本記事では待機が生じている事実の裏づけとしてのみ参照し、申込者数の数値は本文に記載していない
本記事は一般的な情報提供を目的としたものであり、個別の法的助言・税務相談ではありません。個別の判断が必要な場合は税理士・行政書士・弁護士等の専門家にご相談ください。