PR本サイトはアフィリエイト広告(プロモーション)を含みます。

墓じまいに親族が反対したら?決める権利と進め方【経験者96人調査】

更新日:2026-07-25|読了目安:約9分|運営:サトコト合同会社

家族三世代でお墓について話し合う様子の水彩イラスト

墓じまいを切り出したら、親族に反対された。あるいは、反対されそうで切り出せない。親のあとナビ編集部が2026年7月に墓じまい経験者96人へ実施したアンケートでは、約3割(29%)が親族の反対を経験していました。しかも反対を経験した28人のうち10人は、墓じまいを終えた今も「気まずさが残る」と答えています。一方で、法律上お墓を継ぐ権利は相続財産とは別枠で扱われ、承継した人が単独で判断できる建て付けになっています。この記事では「法律上は誰が決められるのか」を条文から確認したうえで、実際に反対を乗り越えた人が何をしたのかを、調査の自由記述から整理します。

まず事実:経験者の約3割が親族の反対に直面している

墓じまいの際、親族の反対はあったか(n=96・単一回答)
回答件数割合
なかった68件71%
あった(説得して進めた)18件19%
あった(今も気まずさが残る)10件10%

反対は「よくあること」ではありますが、多数派ではありません。7割は反対なく進んでいます。注目すべきはむしろ内訳のほうで、反対を経験した28人のうち10人(36%)が「今も気まずさが残る」と回答しています。反対そのものより、反対の処理を誤ったまま完了させてしまうほうが、後に尾を引くという構図です。墓じまいは一度終えれば元に戻せません。関係修復の機会も、工事が終わった後には作りにくくなります。

調査概要:インターネット調査(クラウドソーシング利用)/調査対象=過去5年以内に墓じまいを本人または家族として経験した人/有効回答96人(39都道府県)/調査時期=2026年7月/実施=親のあとナビ編集部。回答は自己申告であり、領収書等による裏取りは行っていません。またクラウドソーシング利用のため、回答者は現役世代・インターネット利用層に偏っている可能性があります。

法律上、墓じまいを決められるのは誰か

話し合いに入る前に、前提を一つ確認しておく価値があります。「お墓は親族全員の共有物で、全員の同意がないと動かせない」と思われがちですが、民法の建て付けはそうなっていません。お墓(墳墓)や仏壇(祭具)、家系図(系譜)は、通常の相続財産とは切り離され、「祖先の祭祀を主宰すべき者」が承継すると定められています。

民法第897条第1項は「系譜、祭具及び墳墓の所有権は、前条の規定にかかわらず、慣習に従って祖先の祭祀を主宰すべき者が承継する。ただし、被相続人の指定に従って祖先の祭祀を主宰すべき者があるときは、その者が承継する」と定めています。出典:e-Gov法令検索「民法」第897条(祭祀に関する権利の承継)

ポイントは「前条の規定にかかわらず」という部分です。前条(896条)は相続財産の包括承継を定めた条文で、お墓はそこから外れます。つまりお墓は遺産分割協議の対象ではなく、法定相続分に応じて分けるものでもありません。承継者が一人決まり、その人が管理と処分の判断をする——これが法律上の原則的な形です。したがって「親族全員の同意書がなければ墓じまいできない」という決まりは、法律上は存在しません。

行政手続きの側から見ても同じです。遺骨を別の場所へ移す改葬には市町村長の許可が必要ですが、許可の相手方は「改葬を行おうとする者」であり、親族全員ではありません。

墓地、埋葬等に関する法律第5条第1項は「埋葬、火葬又は改葬を行おうとする者は、厚生労働省令で定めるところにより、市町村長(特別区の区長を含む。以下同じ。)の許可を受けなければならない」と定めています。出典:e-Gov法令検索「墓地、埋葬等に関する法律」第5条
誰が承継者か分からない場合:民法897条2項は「前項本文の場合において慣習が明らかでないときは、同項の権利を承継すべき者は、家庭裁判所が定める」と規定しています。故人の指定もなく慣習もはっきりしないときは、家庭裁判所に定めてもらう道が条文上用意されています。ただし裁判所ウェブサイトの「相続に関する調停」の手続一覧にはこの手続の専用ページが見当たらないため、実際に申し立てる際の手続名・必要書類は、管轄の家庭裁判所に直接確認してください。

ただし——ここからが本題です。「法的に決められる」ことと「決めてよい」ことは別物です。承継者の権限を盾に押し切れば手続きは進みますが、調査で「今も気まずさが残る」と答えた10人が生まれるのは、たいていこの押し切りの後です。法律は、話し合いを省略してよい根拠ではなく、話し合いが行き詰まったときに最後に立ち返る足場として使うのが現実的です。

なぜ反対されるのか:調査の自由記述から見えた4つの型

アンケートの自由記述には、反対の具体的な中身が書かれていました。読み比べると、反対の理由はおおむね次の4つに分かれます。反対を「感情論」とひとくくりにすると対処を誤るため、まずどの型かを見分けることが実務的には有効です。

  • ① 価値観・体裁:「墓を潰すのは非常識だ」という規範からの反対。大阪府・寺院墓地の回答者は、親族の9割が賛成していても1割が猛反対したと述べています
  • ② 費用負担をめぐる不公平感:北海道・公営霊園の回答者は、費用を出さない親戚から文句を言われたと回答しています
  • ③ 合意形成そのものの難しさ:愛知県・公営霊園の回答者は、親・兄弟・従姉妹まで全員の意見が食い違ったと述べています
  • ④ 説明が届かない相手がいる:秋田県・公営霊園の回答者は、認知症の親族に説明が伝わらないまま進める心苦しさを挙げています

①③は話し合いの設計で動かせる余地があります。②は費用の見える化と分担の提案で緩和できることが多い型です。④は説得の問題ではなく、承継者の判断で進めたうえで、事後の共有をどう丁寧に行うかという別の課題になります。

電話で相談しながらメモを取る女性の水彩イラスト

反対されたときの進め方:4ステップ

  1. 承継者が誰かを先にはっきりさせる。故人の指定があったか、これまで誰が管理費を払い法要を仕切ってきたか。ここが曖昧なまま話し合うと、議論が「誰が決める権利を持つか」の争いにすり替わり、本題に入れません
  2. 反対の中身を「費用」「感情」「体裁」に仕分ける。同じ『反対』でも、費用が理由なら数字で、感情が理由なら供養の継続方法で、体裁が理由なら親族外の第三者の説明で解ける確率が変わります
  3. 費用と選択肢を数字で共有する。本調査では総額は「50〜100万円」が最多の43%で、約65%が50万円以上と回答しています。誰がいくら負担するのかを空欄のまま議論しないこと
  4. 「やめる」ではなく「移す」として提示する。遺骨の行き先を先に決めてから切り出すと、話の性質が変わります。本調査で最も多かった移転先は永代供養墓(合祀)43件、次いで納骨堂16件、別のお墓への改葬15件、樹木葬11件でした

実際に反対を解いた例として、兵庫県・寺院墓地の回答者は、離檀料の相場が分からず神経を使いながらも、当初難色を示していた寺院に対して「子どもへ負担を掛けたくない」と丁寧に説明し、数回の話し合いを重ねて解決したと述べています。一度の説明で決着させようとせず、回数を分けた点が共通する特徴です。

参考:本調査では、決めてから完了までの期間は「3〜6か月」が44%で最多、「1年以上」も14%ありました。ただし本調査では「親族の反対の有無」と「所要期間」のクロス集計は行っていないため、反対があると期間が延びるかどうかは本データからは言えません。あくまで全体の分布として、数か月単位の見通しを持っておくための目安です。
あなたのお墓の撤去費を3分でシミュレーション

区画の広さと立地から概算がわかります(無料・当サイト運営)。話し合いの前に数字を用意しておくと、費用が理由の反対は動きやすくなります

やってはいけない進め方

  • 工事の契約を済ませてから事後報告する。手続き上は成立しますが、調査で「今も気まずさが残る」と答えた層と最も重なりやすい進め方です
  • 「法律上は私が決められる」を最初に持ち出す。最後の足場であって、交渉の第一手にすると相手を立場の争いに引き込みます
  • 費用の全体像を示さないまま同意だけ求める。②の型(費用負担への不公平感)を自分から作ることになります
  • 供養の行き先を決めずに「墓じまいしたい」とだけ伝える。相手には『先祖を放り出す』としか聞こえません

それでも折り合わないとき

親族間の話し合いで決着しない場合、選択肢は大きく二つです。一つは、承継者が誰かという点自体に争いがあるなら、家庭裁判所に定めてもらう道(民法897条2項)。もう一つは、親族以外の第三者に手続きの説明役を担ってもらう方法です。墓じまいは改葬許可申請をはじめ行政手続きが絡むため、専門の代行事業者や行政書士が間に入ると、「身内の思いつき」ではなく「制度に沿った手続き」として受け止められやすくなります。③の合意形成型・①の体裁型の反対には、この第三者の介在が効くことがあります。

墓じまい代行の資料請求(無料)

ミキワの墓じまい:相談から行政手続き・撤去工事・供養先の紹介まで一括対応。資料は親族への説明資料としても使えます(PR)

Q.親族全員の同意書がないと墓じまいはできませんか?

A.法律上、親族全員の同意書を要求する規定はありません。お墓は民法897条により祭祀を主宰すべき者が承継し、改葬の許可も墓地埋葬法5条に基づき「改葬を行おうとする者」が市町村長から受けるものです。ただし墓地の管理者(寺院・霊園)が独自に書類を求めることはあるため、実際の必要書類は墓地の管理者と市区町村の双方に確認してください。

Q.兄弟の一人が強く反対しています。無視して進めても違法ではありませんか?

A.承継者が手続きを進めること自体は違法ではありません。ただし本調査では、反対を経験した28人のうち10人が完了後も「気まずさが残る」と回答しています。法的な可否と、その後の親族関係は別の問題として考える必要があります。

Q.誰が承継者なのかはっきりしません。どう決めればよいですか?

A.故人による指定があればその人、なければ慣習に従って決まります。慣習が明らかでないときは、民法897条2項により家庭裁判所が定めることになっています。具体的な申立ての方法は、管轄の家庭裁判所にお問い合わせください。

Q.反対されないためには、いつ切り出すのがよいですか?

A.本調査から「最適な時期」を示すデータは得られていません。ただし自由記述では、遺骨の移転先と概算費用を用意したうえで、複数回に分けて説明した人が解決に至っている例が見られました。

出典・参考

本記事は一般的な情報提供を目的としたものであり、個別の法的助言ではありません。法的判断が必要な場合は行政書士・弁護士等の専門家にご相談ください。 記載の費用・相場は出典元の公開情報に基づく目安であり、実際の金額は寺院・霊園・業者により異なります。

あわせて読みたい