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介護保険負担限度額認定証とは?対象施設と段階【2026年8月改正】

更新日:2026-08-03|読了目安:約15分|運営:サトコト合同会社

親子で申請書類を封筒にまとめる食卓の水彩イラスト

介護保険負担限度額認定証は、特養(地域密着型を含む)・老健・介護医療院・ショートステイで、食費と居住費の自己負担を下げるための証明書です。2026年8月1日から、判定に使う収入の基準が80.9万円から82.65万円に変わり、食費の基準費用額と一部の負担限度額も上がりました。対象施設は法律で決まっており、有料老人ホームやサ高住は含まれません。申請先は、お住まいの市区町村の介護保険担当窓口です。

認定証は、食費と居住費の差額を介護保険が払う仕組み

正式には「介護保険負担限度額認定証」といいます。介護保険法第51条の3にある特定入所者介護サービス費(補足給付)の支給を受けるための証明書です。

施設の食費と居住費には、国が決めた基準費用額があります。認定を受けると、本人が払うのは所得に応じた負担限度額までになり、その差額が介護保険から支給されます。

  • 基準費用額=軽減がない場合の、1日あたりの食費・居住費の基準額
  • 負担限度額=利用者負担段階に応じて、本人が払う1日あたりの上限
  • 差額=特定入所者介護サービス費として介護保険から支給される分

施設が値引きをしてくれる制度ではなく、払う人が変わる制度です。だからこそ、対象になる施設・段階・資産の条件が法令で細かく決められています。

対象は特養・老健・介護医療院とショートステイだけ

対象になるサービスは、介護保険法に列挙されています。第51条の3第1項に6つ、要支援の方向けの特定入所者介護予防サービス費として第61条の3第1項に2つ。この8つ以外は、この認定証では軽減されません。

負担限度額認定証による軽減の対象・対象外(対象は介護保険法第51条の3第1項第1号〜第6号および第61条の3第1項第1号・第2号。対象外の例は松江市の公式ページによる。2026年8月確認)
サービス・施設食費・居住費の軽減
特別養護老人ホーム(指定介護福祉施設サービス)対象
介護老人保健施設(介護保健施設サービス)対象
介護医療院(介護医療院サービス)対象
地域密着型介護老人福祉施設入所者生活介護(地域密着型特養)対象
ショートステイ(短期入所生活介護・短期入所療養介護)対象
ショートステイ(介護予防短期入所生活介護・介護予防短期入所療養介護)対象
有料老人ホーム対象外
サービス付き高齢者向け住宅対象外
ケアハウス対象外
グループホーム対象外
デイサービス対象外
小規模多機能型居宅介護対象外
「対象外」は、これらの施設に一切の軽減制度がないという意味ではありません。自治体独自の助成や、社会福祉法人等による利用者負担軽減制度が別にある場合があります(この事業を実施していない社会福祉法人等もあります)。お住まいの市区町村の窓口で確認してください。

対象施設の中心である特別養護老人ホームは、入所を申し込んでもすぐ入れるとは限りません。申込者数の公的統計と、その数字が何を表していないのかは別の記事で整理しています。特養の入所申込者は20.6万人|平均待機期間の公的統計はないをご利用ください。

2026年8月1日から変わった3つのこと

2026年(令和8年)8月1日から、補足給付の内容が見直されました。厚生労働省の通知で示された変更点は、次の3つです。

  1. 利用者負担段階を判定する年金収入等の基準が、80.9万円から82.65万円に引き上げられた
  2. 食費の基準費用額が1日1,445円から1,545円になり、第3段階の食費の負担限度額が上がった
  3. 居住費の負担限度額が、第3段階②に限って引き上げられた

①は、年金額の改定に合わせて判定の基準額そのものを動かしたものです。②③の負担限度額の引上げとは性質が違います。

基準が82.65万円になったのは、2025年(1〜12月)に支給される老齢基礎年金(満額)が826,500円となったためです。この見直しは、2026年7月31日発出の介護保険最新情報Vol.1532で正式に示されました。

居住費を見直した理由について、厚生労働省は改正の趣旨で次のように説明しています。

令和7年12月にとりまとめられた社会保障審議会介護保険部会の意見書を踏まえ、負担能力に応じた負担を図る観点から、介護保険施設等における居住費又は滞在費に対して支給される特定入所者介護(予防)サービス費について、支給額の見直しを行うものであること出典:厚生労働省 介護保険最新情報Vol.1481(老介発0313第1号/令和8年厚生労働省告示第88号)(改正の趣旨(社会保障審議会介護保険部会の意見書を踏まえた居住費・滞在費の見直し)/令和8年8月以降の補足給付の仕組みと基準費用額)
同じ2026年8月1日から、高額介護サービス費の所得区分の基準額も82.65万円に見直されています。市町村民税世帯非課税で、公的年金等収入金額とその他の合計所得金額の合計が82.65万円以下の場合、負担上限額は世帯24,600円(個人15,000円)です。

月々の介護サービスの自己負担そのものに上限を設ける制度は別にあります。高額介護サービス費とは?上限額6区分と申請方法【2026年8月改正】をご利用ください。

食費は第1段階・第2段階が据え置き、上がったのは第3段階

介護施設の食堂で入居者がお茶の時間を過ごす水彩イラスト

食費は、軽減がない場合の基準費用額が1日100円上がりました。ただし負担限度額まで全段階が上がったわけではありません。第1段階と第2段階は据え置きです。

食費の負担限度額(施設に入所した場合・1日あたり)。介護保険最新情報Vol.1506参考資料および同Vol.1481添付資料による。2026年8月1日適用
区分2026年7月31日まで2026年8月1日から
基準費用額(軽減がない場合)1,445円1,545円
第1段階300円300円(据え置き)
第2段階390円390円(据え置き)
第3段階①650円680円
第3段階②1,360円1,420円
厚生労働省の資料では月額の目安も示されています(例:食費の基準費用額1,545円=月4.7万円、第3段階②の施設食費1,420円=月4.3万円)。

基準費用額は、給付額を計算するための国の基準額です。実際に施設へ支払う食費・居住費は入所先との契約で決まります(厚生労働省の資料にも「ご負担いただく額は、施設と利用者の契約により決められています」とあります)。金額は重要事項説明書で確認してください。

食費の負担限度額(ショートステイの場合・1日あたり)。施設に入所した場合とは金額が異なります。介護保険最新情報Vol.1506参考資料および同Vol.1481添付資料による。2026年8月1日適用
区分2026年7月31日まで2026年8月1日から
第1段階300円300円(据え置き)
第2段階600円600円(据え置き)
第3段階①1,000円1,030円
第3段階②1,300円1,360円
施設に入所した場合とショートステイでは、同じ段階でも食費の負担限度額が違います。第2段階は施設390円に対しショートステイ600円、第3段階②は施設1,420円に対しショートステイ1,360円です。金額を見るときは、どちらの表かを必ず確認してください。

居住費で上がったのは第3段階②だけ

居住費は、第1段階・第2段階・第3段階①がいずれも据え置きです。引き上げられたのは第3段階②だけで、しかもすべての区分ではありません。

居住費(滞在費)の基準費用額と、第3段階②の負担限度額(1日あたり)。右2列はいずれも第3段階②の額で、「7月31日まで」「8月1日から」は2026年です。介護保険最新情報Vol.1506参考資料および同Vol.1481添付資料(令和8年厚生労働省告示第88号の新旧対照)による
区分基準費用額7月31日まで8月1日から
多床室(特養等)915円430円530円
多床室(老健・医療院・室料あり)697円430円530円
老健・医療院等(室料なし)437円430円430円(据え置き)
従来型個室(特養等)1,231円880円980円
従来型個室(老健・医療院等)1,728円1,370円1,470円
ユニット型個室的多床室1,728円1,370円1,470円
ユニット型個室2,066円1,370円1,470円
居住費(施設)と滞在費(ショートステイ)は共通の額です。ショートステイで別額が設定されているのは食費だけです(厚生労働省 介護保険最新情報Vol.1506添付資料の区分に基づく)。表の「室料あり」「室料なし」は、老健・介護医療院等が室料を徴収する場合・徴収しない場合を指します。

老健・介護医療院等で室料を徴収しない場合の区分(基準費用額437円)は、第3段階②も430円のままで、今回の引き上げの対象外です。「居住費が一律100円上がった」わけではありません。

第1段階・第2段階・第3段階①の居住費は、2026年8月以降も据え置きです。区分ごとの具体的な金額は、市区町村の案内か、入所先の重要事項説明書で確認してください。

段階は、収入・預貯金・世帯の3つで決まる

世帯全員が市町村民税非課税か世帯を分けている配偶者も判定本人の年金収入等の額預貯金等の額利用者負担段階が決まる食費・居住費に負担限度額差額は介護保険から支給されます
判定するのは市区町村です。世帯を分離している配偶者の課税状況も判定に入ります(段階ごとの金額は下の表を参照)。

利用者負担段階は、世帯全員が市町村民税非課税かどうか、本人の年金収入等がいくらか、預貯金等がいくらか、の3つで決まります。ここでいう世帯には、世帯を分離している配偶者も含まれます。

利用者負担段階の要件(2026年8月1日から)。介護保険最新情報Vol.1532別添3および同Vol.1481添付資料による。「年金収入等」は本人の年金収入金額(非課税年金を含む)とその他の合計所得金額の合計
段階課税状況と収入の要件預貯金等(単身)預貯金等(夫婦)
第1段階(生活保護受給者)生活保護を受けている要件なし要件なし
第1段階(老齢福祉年金受給者)世帯全員が市町村民税非課税で、本人が老齢福祉年金受給者1,000万円以下2,000万円以下
第2段階世帯全員が市町村民税非課税で、年金収入等が82.65万円以下650万円以下1,650万円以下
第3段階①世帯全員が市町村民税非課税で、年金収入等が82.65万円超120万円以下550万円以下1,550万円以下
第3段階②世帯全員が市町村民税非課税で、年金収入等が120万円超500万円以下1,500万円以下
第4段階世帯に市町村民税の課税者がいる、または本人が市町村民税課税者軽減の対象外軽減の対象外
第4段階(課税世帯)でも、6つの要件をすべて満たすと特例減額措置の対象になる場合があります(後述)。
「年金収入等」には、遺族年金・障害年金といった非課税年金も含まれます(平成28年8月以降の取扱い)。所得税がかからない年金だから関係ない、と考えると判定を読み違えます。申請書にも、受給している非課税年金の種別を記入する欄があります。
40歳以上65歳未満の第2号被保険者については、預貯金等の要件が所得段階にかかわらず単身1,000万円以下・夫婦2,000万円以下とされています(大阪市・松江市の公式ページによる)。この点はお住まいの市区町村の案内で確認してください。

最終的に段階を判定するのは、保険者である市区町村です。課税情報と資産の申告をもとに決まるため、この表だけで「うちは第2段階」と決めることはできません。必ず窓口で確認してください。

配偶者は、世帯を分けていても判定に入る

誤解が多いのがここです。配偶者の課税状況は、世帯を分離していても判定の対象になります。事実上の婚姻関係にある人(内縁関係)も、この「配偶者」に含まれます。

別世帯の配偶者が市町村民税課税である場合は不支給となり、市区町村は不支給決定通知書に「同一世帯でない配偶者が市町村民税課税であるため」と理由を記載することとされています。認定を通すために世帯を分ける、という発想は制度上成立しません。

一方で、配偶者の課税状況を判定から外す扱いが認められる場合もあります。厚生労働省の通知では、次のように整理されています。

  • 離婚や婚姻の取消しが成立した場合は、配偶者の課税状況は勘案の対象外になります。
  • 配偶者が行方不明の場合、配偶者からの暴力(DV防止法第1条第1項)を受けた場合、その他これらに準ずる場合も、勘案の対象外とされます。
  • 離婚の調停・訴訟や婚姻の取消訴訟等の手続を開始していて、生活に係る配偶者からの援助が期待しがたいと認められるときは、運用上、勘案の対象外として差し支えないとされています。この類型だけは保険者の判断で、調停申立書の写しや訴状の写し等で事実関係が確認されます。

預貯金等に何が入り、何が入らないか

預貯金等の範囲は、介護保険法施行規則第83条の5第1号で定められています。現金、預貯金、合同運用信託、公募公社債等運用投資信託、有価証券その他これらに類する資産です。運用上の取扱いは次のとおりです。

預貯金等として合算する対象と確認方法(介護保険最新情報Vol.1532別添3による。「—」は同通知に確認方法の記載がないもの)
資産の種類合算の扱い確認方法
預貯金対象通帳の写し(インターネットバンクは口座残高ページの写し)
有価証券対象証券会社や銀行の口座残高の写し
投資信託対象銀行・信託銀行・証券会社等の口座残高の写し
金・銀など、口座残高で時価が把握できる貴金属対象
タンス預金(現金)対象自己申告
生命保険対象外
自動車対象外
腕時計・宝石など、時価評価額の把握が困難な貴金属対象外
絵画・骨董品・家財など対象外
負債(借入金・住宅ローン等)預貯金等の合計額から控除金銭消費貸借契約書など

負債は預貯金等から差し引けますが、例外があります。個人名義であっても営む業務に係る負債は含まれず、税金や保険料等の滞納額も、控除できる負債には含まれません。

タンス預金(現金)は自己申告ですが、申告の対象です。また保険者は、預貯金等の額が真正なものか確認するため、必要に応じて介護保険法第203条にもとづき金融機関に預貯金等の額を照会することができます。

虚偽の申告は、支給額と最大2倍の加算金の返還を求められることがある

「預貯金を少なく書けば通るのでは」と考える人がいますが、そこには明確な罰則があります。厚生労働省が示している申請書の様式には、注意事項として次の一文が入っています。

虚偽の申告により不正に特定入所者介護サービス費等の支給を受けた場合には、介護保険法第22条第1項の規定に基づき、支給された額及び最大2倍の加算金を返還していただくことがあります出典:厚生労働省 介護保険最新情報Vol.1532「『介護保険制度における利用者負担等の事務処理の取扱いについて』の一部改正について」(老介発0731第1号)(利用者負担段階の要件(82.65万円・預貯金等の基準)/配偶者の取扱い/預貯金等の範囲と確認方法/法第203条による金融機関照会/有効期限/申請書様式の注意事項(法第22条第1項の返還・加算金)/特例減額措置の6要件/高額介護サービス費の基準額)

根拠となる介護保険法第22条第1項は、不正に受けた保険給付の価額を徴収できるほか、それが特定入所者介護サービス費の支給であるときは、加算金を徴収できると定めています。

当該偽りその他不正の行為によって支給を受けた額の百分の二百に相当する額以下の金額を徴収することができる出典:e-Gov法令検索「介護保険法」(平成9年法律第123号)(第51条の3(特定入所者介護サービス費)/第61条の3(特定入所者介護予防サービス費)/第22条第1項(不正利得の徴収等・百分の二百に相当する額以下))

「百分の二百に相当する額以下」は上限を定めた規定で、必ず2倍が加算されるという意味ではありません。逆に言えば、軽減された分に加えて、最大でその2倍が上乗せされうる設計になっています。

  • 非課税年金の受給に関する虚偽の自己申告も、法第22条第1項にもとづく加算金の対象となり得るとされています。
  • 認知症などで本人が預貯金等の残高や通帳の所在を認識できず、親族等の助けも望めないと保険者が認めた場合に、後から基準を超えていたことが判明したときは、過誤調整で対応し、不正の意図がなければ加算金の対象にはならないとされています。

申告すべきか迷う資産がある場合は、自己判断で外さず、市区町村の窓口に相談してください。判断は保険者が行うものです。

あなたの場合は?状況別に、次にすること

ここまでの内容を、いまの状況ごとに並べ直します。段階を決めるのは市区町村なので、ここで確定させるのではなく、窓口へ持って行く材料として使ってください。

状況別・この制度での扱いと次にすること
いまの状況この制度での扱い次にすること
親が特養・老健・介護医療院に入所している、またはショートステイを使う食費と居住費(滞在費)が軽減の対象市区町村の介護保険担当窓口に申請する
有料老人ホーム・サ高住・ケアハウス・グループホーム等にいるこの認定証の対象外自治体独自の助成や、社会福祉法人等による利用者負担軽減制度があるかを市区町村の窓口で確認する
世帯全員が市町村民税非課税本人の年金収入等と預貯金等の額で、第1段階から第3段階に分かれる通帳の写し等をそろえて申請する。段階を判定するのは市区町村
世帯に市町村民税の課税者がいる原則として第4段階で軽減の対象外。ただし6つの要件をすべて満たせば特例減額措置(後述)当てはまりそうな場合は、市区町村の窓口に相談する
配偶者と世帯を分けている別世帯の配偶者の課税状況も判定に入る(内縁関係を含む)配偶者の分の書類もそろえて申請する
入所やショートステイの利用が決まった効力は、申請日の属する月の初日にさかのぼるそれより前の月には原則さかのぼらないため、早めに申請する

申請の時期と有効期限

認定の効力は、申請日の属する月の初日に遡ります。それより前の月の食費・居住費がまとめて戻るわけではないため、入所やショートステイの利用が決まったら早めに申請するほうが有利です。

  • 効力は、申請日の属する月の初日に遡ります。
  • 8月に申請した場合は、8月1日から翌年7月31日までが有効期間です。
  • 年度の途中で申請した場合は、申請した月の初日から次の7月31日までが有効期間になり、毎年8月に更新します。
  • 認定証は、郵送や窓口交付等により交付されます。
遡りには例外もあります。預金通帳の写し等の添付書類の準備に時間がかかり、認定がサービス利用までに間に合わなかったことがやむを得ないと保険者が認める場合には、介護保険法施行規則第83条の8にもとづいて遡って補足給付が支給されることがあります。この判断も保険者が行います。

毎年の更新が前提の制度で、多くの自治体では7月末までに更新申請を求めています。ただし保険者が地域の実情を踏まえて必要と認めるときは、終期を翌々年7月31日とすることも差し支えないとされています。

申請先と、そろえる書類

  • 申請先は、お住まいの市区町村の介護保険担当窓口です。
  • 申請書は市区町村の様式を使います。
  • 預貯金は、通帳の写し(インターネットバンクの場合は口座残高ページの写し)
  • 有価証券・投資信託は、口座残高の写し
  • 負債を申告する場合は、金銭消費貸借契約書など
  • 配偶者がいる場合は、配偶者の分も必要です。
通帳の写しの必要範囲など、追加で求められる書類は自治体によって異なります。申請前に市区町村の案内で確認してください。

課税世帯でも軽減を受けられる場合がある(特例減額措置)

第4段階(課税世帯)に該当しても、次の6つの要件をすべて満たす場合は、特例的に第3段階②の負担軽減を受けられます。特例減額措置といいます。

  1. 世帯の構成員が2人以上であること
  2. 介護保険施設等に入所し、第4段階の食費・居住費を負担していること
  3. 全世帯員と配偶者の収入から、利用者負担・食費・居住費の年額見込みを控除した額が82.65万円以下であること
  4. 全世帯員と配偶者の現金・預貯金・有価証券等の合計が450万円以下であること
  5. 居住用の家屋等以外に、利用し得る資産がないこと
  6. 介護保険料を滞納していないこと

対象は介護保険施設・地域密着型特養に限られ、ショートステイは対象外です。要件が細かく、6つすべてを満たす必要があるため、当てはまりそうな場合は市区町村の窓口に相談してください。

軽減されるのは、食費と居住費だけ

  • 軽減の対象になるのは、食事の提供に要した費用(食費)
  • 軽減の対象になるのは、居住又は滞在に要した費用(居住費・滞在費)
  • それ以外の費用は、この認定証では軽減されない

介護保険法第51条の3が支給の対象としているのは、この2つの費用です。介護サービスそのものの自己負担や、それ以外の実費は、この認定証の対象になりません。

施設に入った家族が実際に毎月いくら払っているのか、基本料金の外側で何にお金がかかったのかは、当編集部の独自調査として別の記事にまとめています。介護施設の費用はいくら?入居者家族110人に聞いた月額と想定外の出費をご利用ください。

ここに載せた金額は2026年8月1日から適用されるもので、2026年8月3日時点の厚生労働省通知にもとづきます。基準額は毎年8月に見直されるため、申請する時点の金額は市区町村の案内で確認してください。

よくある質問

Q.介護保険負担限度額認定証は、有料老人ホームでも使えますか?

A.使えません。この認定証で軽減されるのは、介護保険法に列挙された施設・サービスに限られます。特別養護老人ホーム、介護老人保健施設、介護医療院、地域密着型介護老人福祉施設入所者生活介護、ショートステイ(要支援の方の介護予防ショートステイを含む)が対象です。有料老人ホーム、サービス付き高齢者向け住宅、ケアハウス、グループホーム、デイサービス、小規模多機能型居宅介護の食費・居住費は対象外です。ただし、これらの施設に一切の軽減制度がないという意味ではありません。自治体独自の助成や、社会福祉法人等による利用者負担軽減制度が別にある場合があります(この事業を実施していない社会福祉法人等もあります)。市区町村の窓口で確認してください。

Q.2026年8月1日から、負担はいくら増えますか?

A.第1段階・第2段階の人は、食費も居住費も増えません。増えるのは第3段階の人だけです。食費の負担限度額は、施設に入所した場合の第1段階300円・第2段階390円が据え置きで、上がったのは第3段階①(650円→680円)と第3段階②(1,360円→1,420円)です。居住費が上がったのは第3段階②だけで、多床室(特養等)430円→530円、従来型個室(特養等)880円→980円、ユニット型個室1,370円→1,470円などとなりました。第1段階・第2段階・第3段階①の居住費は据え置きで、老健・介護医療院等で室料を徴収しない区分は第3段階②も430円のままです。なお、軽減がない場合の食費の基準費用額は1,445円から1,545円になりました。30日で計算すると、最も大きい場合で月およそ4,800円です(第3段階②で食費が1日60円、居住費が1日100円上がる場合。編集部による30日換算)。第3段階①は食費のみ1日30円(月およそ900円)、第1段階・第2段階は食費・居住費とも据え置きです。実際の請求額は、入所先の施設と市区町村に確認してください。

Q.預貯金を少なく申告したら、どうなりますか?

A.支給された額と、最大2倍の加算金の返還を求められることがあります。厚生労働省が示している申請書の様式には「虚偽の申告により不正に特定入所者介護サービス費等の支給を受けた場合には、介護保険法第22条第1項の規定に基づき、支給された額及び最大2倍の加算金を返還していただくことがあります」と明記されています。法第22条第1項は「支給を受けた額の百分の二百に相当する額以下の金額」を徴収できるという上限規定で、必ず2倍が課されるという意味ではありません。また保険者は、法第203条にもとづき金融機関に預貯金等の額を照会することができます。タンス預金(現金)も申告の対象です。申告すべきか迷う資産がある場合は、自己判断で外さず市区町村の窓口に相談してください。

Q.親の預貯金がいくらあるか分からない場合はどうすればいいですか?

A.分かる範囲の残高を持って、市区町村の窓口で事情を説明してください。厚生労働省の通知では、認知症などで本人が預貯金等の残高や通帳の所在を認識できず、親族等の助けも望めないと保険者が認めた場合について、いったん支給が決定された後で基準を超えていたことが判明したときは過誤調整で対応し、不正の意図がなければ加算金の対象にはならないとされています。ただしこれは保険者が認めた場合の取扱いで、調べずに申告しなくてよいという意味ではありません。どこまでの書類が必要かも自治体によって異なるため、窓口で確認するのが確実です。

Q.申請には何が必要ですか?

A.申請先は、お住まいの市区町村の介護保険担当窓口です。申請書は市区町村の様式を使います。添付する資料は、預貯金が通帳の写し(インターネットバンクの場合は口座残高ページの写し)、有価証券・投資信託が口座残高の写し、負債を申告する場合は金銭消費貸借契約書などです。配偶者がいる場合は、配偶者の分も必要になります。通帳の写しをどこまで求めるかなど、追加の書類は自治体によって異なるため、申請前に市区町村の案内で確認してください。

Q.自分の段階は自分で調べられますか?

A.表で見当をつけることはできますが、確定させるのは保険者である市区町村です。非課税年金が収入に入ること、別世帯の配偶者の課税状況が判定に入ること、預貯金等として合算する資産の範囲、の3点で結果が変わります。この3つはいずれも申請書の記載と課税情報をもとに市区町村が確認するため、表だけで段階を決めずに窓口で確認してください。

Q.夫婦で世帯を分けていれば、配偶者の収入や課税は関係ありませんか?

A.関係あります。世帯を分離している配偶者も判定の対象に含まれ、事実上の婚姻関係にある人(内縁関係)も配偶者に含まれます。別世帯の配偶者が市町村民税課税である場合は不支給となり、市区町村は不支給決定通知書に「同一世帯でない配偶者が市町村民税課税であるため」と理由を記載することとされています。したがって、認定を通すために世帯を分けるという方法は制度上成立しません。なお、離婚や婚姻の取消しが成立した場合、配偶者が行方不明の場合、配偶者からの暴力(DV防止法第1条第1項)を受けた場合などは、配偶者の課税状況が勘案の対象外とされます。離婚の調停・訴訟等の手続を開始していて、生活に係る配偶者からの援助が期待しがたいと認められるときも、運用上、勘案の対象外として差し支えないとされています。

Q.遺族年金は非課税なので、収入には入りませんよね?

A.入ります。判定に使う「年金収入等」には、遺族年金・障害年金などの非課税年金も含まれます(平成28年8月以降の取扱い)。所得税がかからないことと、介護保険の利用者負担段階の判定に入るかどうかは別の話です。申請書にも、受給している非課税年金の種別(遺族年金・障害年金の別と年金保険者の別)を記入する欄があります。2026年8月1日からは、この年金収入等とその他の合計所得金額の合計が82.65万円以下かどうかが第2段階の基準になります。

Q.認定証は毎年申請し直す必要がありますか?

A.原則として毎年です。有効期限は始期が8月1日、終期は翌年7月31日と定められており、更新の申請が必要になります。ただし、保険者が地域の実情を踏まえて必要と認めるときは、終期を翌々年7月31日とすることも差し支えないとされています。全国どこでも毎年必ず、とは限らないため、交付された認定証に書かれた有効期限と、市区町村からの案内で確認してください。なお、認定の効力は申請日の属する月の初日に遡ります。原則として、それより前の月には遡りません。ただし、預金通帳の写し等の準備に時間がかかりサービス利用までに認定が間に合わなかったことがやむを得ないと保険者が認める場合は、介護保険法施行規則第83条の8にもとづき遡って支給されることがあります。更新の時期には注意してください。

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介護保険の申請状況、親との距離、費用の負担。7つの質問に答えると、いまの現在地と「いま確認すること3つ」、無料で相談できる公的窓口(地域包括支援センター等)を出典つきで整理します。回答は端末内でのみ処理します。

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出典・参考

本記事は一般的な情報提供を目的としたものであり、個別の法的助言・税務相談ではありません。個別の判断が必要な場合は税理士・行政書士・弁護士等の専門家にご相談ください。 記載の費用・相場は調査結果および公表データに基づく目安であり、実際の金額は施設の種類・所在地・要介護度・所得区分により異なります。

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